2025年2月11日(火)

BBC News

2025年1月24日

中国・江蘇省蘇州市で昨年6月に日本人の母子をナイフで襲い、母子を守ろうとした中国人女性が殺害された事件で、中国人男性被告に23日、死刑判決が言い渡された。日本政府が明らかにした。

日本側の説明などによると、中国の裁判所は周加勝被告(52)について、仕事を失って借金ができ、生きる気力を失って6月24日に犯行に及んだとした。

事件は、蘇州の日本人学校の前で起き、学校の送迎バスが刃物を持った被告に襲われた。中国で昨年、外国人が襲撃された3件の事件の一つ。

中国ではこのところ、注目された事件の死刑囚の死刑が相次ぎ執行されている

日本政府の林芳正官房長官は23日の記者会見で、中国の裁判所が襲撃を意図的な殺人だと認定したと説明。犯罪の重大な社会的影響から死刑が宣告されたと述べた。

また、判決では日本への言及が一切なかったとし、上海の日本総領事らが裁判を傍聴したとした。

林官房長官は、「全く何の罪もない子供を含む3人を殺傷した犯行は到底許されない」と述べた。

さらに、日本人母子を守ろうとして殺害された、日本人学校の送迎バスの乗務員、胡友平さんに対して哀悼の意を表明した。

この襲撃事件は、昨年9月に中国南部・広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男児が刺殺された事件とともに、中国の日本人コミュニティーに懸念を生んでいた。

中国外務省の毛寧報道官は23日の記者会見で、この事件は「司法手続きが進められている」と短くコメント。中国は「通常通り、中国にいる外国人の安全を守るために行動する」と付け加えた。

公共の場での暴力事件が増加

中国では公共の場での暴力が増加しており、当局は対処を迫られている。多くの加害者は、「社会への報復」という強い思いに駆られているとされ、個人的に不満を募らせ、見ず知らずの人を襲っていると考えられている。

歩行者や面識のない人を襲った事件は、昨年19件で、前年の1桁台から急増した。

今月20日には、南部・広東省で昨年11月に発生した自動車を使った襲撃事件で、少なくとも35人を殺害した罪で死刑判決を受けていた男性の刑が執行された。この事件は、中国でここ10年間で最も多くの死者を出した襲撃事件とされる。

この事件の5日後には、江蘇省無錫市の学校で8人を刺殺する事件が発生。同校の学生が昨年12月に死刑判決を受け、今月20日に刑が執行された。

無錫市の襲撃事件から3日後の昨年11月19日には、南部・湖南省常徳市の小学校の前で、児童と保護者の中に車が突っ込み、30人が負傷した。車を運転していた男性には12月、執行猶予付きの死刑判決が言い渡された

(英語記事 China sentences man to death over attack on Japanese school bus

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cvg49p92v9ko


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