
アメリカ郵便公社(USPS)は4日、中国大陸および香港からの小包の受け入れを一時的に停止すると発表した。
同社のウェブサイトに掲載された声明によると、手紙はこの停止の影響を受けない。
USPSは、この停止が「当面の間」続くとしているが、その理由については明らかにしなかった。
米東部時間同日午前0時1分(日本時間午後2時1分)には、ドナルド・トランプ米大統領が命じた中国に対する10%の関税発動したばかり。
この大統領令によって、それまで800ドル(約12万3000円)以下の品物について、アメリカに輸入される際に免除されていた関税や特定の税金も、免除されなくなった。
このいわゆる「デ・ミニミス」税の抜け穴は、中国の通販大手「SHEIN(シーイン)」や「Temu(テム)」などがアメリカのユーザーに商品を届ける際に利用していたため、近年ますます注目を集めていた。
中国は大統領令を受け、アメリカからの一部輸入品に関税を課すと発表した。
報復措置では今月10日から、石炭と液化天然ガス(LNG)に15%の関税をかける。また、原油、農業機械、ピックアップトラック、大型エンジン車には10%の関税を課す。
トランプ大統領は近日中に、中国の習近平国家主席と電話で協議する予定。
貿易専門家のデボラ・エルムズ氏は、「トランプ大統領の関税変更は、特に中国からアメリカにインターネット通販を通じて直接発送されていた商品に対して、非常に厳しいものになっている」と述べた。
米連邦議会の中国に関する委員会が2023年に行った報告によると、デ・ミニミス税制の下でアメリカに入る小包のほぼ半数が中国から送られていた。
アメリカの当局者は、この免除を通じて国内に大量の小包が流入することで、商品の違法性を検査することがますます困難になっていると指摘している。
BBCはUSPSに対し、この決定に関する詳細を求めて連絡を取っている。
(英語記事 US Postal Service stops accepting parcels from China and Hong Kong