
キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(ヴァチカン)は23日、教皇フランシスコ(88)の「重篤」な容体は続いているものの、「新たな呼吸危機は発生していない」と発表した。
教皇は依然として高流量酸素療法を受けており、輸血も行われた。血液検査では「初期の軽度の腎不全」が確認されたが、「現在はコントロールされている」という。
ヴァチカンは、教皇は「意識の清明さと見当識を保っている」と述べた。
教皇は数日にわたって呼吸器に異常がみられたため、14日にローマのジェメリ病院に入院。当初は気管支炎の治療を受け、その後、両肺の肺炎と診断された。
ヴァチカンは23日の声明で、教皇の血小板減少症(血液中の血小板数が低すぎる状態)は安定していると発表した。
また、教皇がこの日の朝に「ここ数日の入院生活で教皇の世話をしている人々と共にミサに参加した」と述べた。一方、「臨床像が複雑」なことから、予後については言及しなかった。
教皇の容体については前日の22日、呼吸危機によって「危険な状態」にあると発表されていた。
教皇は23日早朝に声明を発表し、2週連続で伝統的な「アンジェラスの祈り(お告げの祈り)」の集いを司式できなかったとして、信徒に祈りを求めた。教皇は毎週日曜日の正午、ヴァチカンの書斎の窓から、サンピエトロ広場に集まった信徒と共にこの祈りを唱えている。
教皇は過去に胸膜炎を発症しており、21歳のときには肺の一部を摘出しているため、細菌やウイルス、真菌によって引き起こされる肺炎に特にかかりやすい。
ローマ・カトリック教会の指導者としての12年間で、教皇は何度も入院しており、2023年3月にも同じ病院に入院し、気管支炎の治療を受けた。
アルゼンチン出身の教皇フランシスコは、初のラテンアメリカ出身の教皇で、初のイエズス会員でもある。
(英語記事 Pope Francis remains 'critical' and has kidney problem, Vatican says)