2025年3月26日(水)

BBC News

2025年2月26日

パレスチナ・ガザ市にある、患者の友人慈善協会(PFBS)病院で治療を受ける未熟児(25日)

パレスチナ・ガザ地区で、この2週間で少なくとも6人の赤ちゃんが死亡した。寒さと、適切な避難所や暖房がないことが原因だという。パレスチナの医療関係者や保健当局が明らかにした。

北部ガザ市にある、患者の友人慈善協会(PFBS)病院の医師らによると、新生児9人が寒冷障害で入院し、うち5人が死亡、1人が重体となっている。

また、南部ハンユニス近郊でも、生後2カ月の女児が寒さによって死亡したと家族が述べた。

PFBS病院は、テントや急ごしらえの避難施設で生活している避難者推定94万5000人の状況を改善するため、移動式の住宅や燃料が緊急に必要だと訴えている。

ガザ地区の武装組織ハマスは、停戦が5週間前に始まって以降、合意された量のテントや移動式住宅など避難物資の運び入れを、イスラエルが認めていないと非難している。イスラエルはこれを否定している。

ガザの人口210万人の大半は、イスラエルとハマスの16カ月にわたる戦争で何度も避難を余儀なくされている。ガザでは建物の7割近くが損壊または破壊されたと推定されている。

医療システムも崩壊している。35カ所ある病院のうち部分的にでも機能しているのは18カ所だけで、不可欠な医療機器も不足している。

気象情報サイトによると、ガザの夜間の気温はこの2週間、たびたび10度を下回っている。

24日夜には3度まで下がった。PFBS病院の医療ディレクターのサイード・サラー医師は、過去2週間に、低体温症などの寒冷障害に苦しむ赤ちゃん3人が死亡したと動画で警告した。

同医師によると、これらの赤ちゃんは生後1~2日で、体重1.7~2キロほどだったという。

さらに25日、サラー医師と小児科医サマー・ルバド医師は、新たに2人の新生児が死亡したと報告した。

ルバド医師は中東の衛星放送局アルジャジーラTVに、「このような状態になったのは、ガザ地区の寒さと、安全な避難施設の不足、暖房設備の不足、電気不足が原因だ」と説明した。

ハマスが運営するガザ保健当局のムニール・アルブルシュ事務局長は、冬が始まって以来、15人の子どもが寒さのために死亡したとする声明を出した。

同医師はまた、1月19日の停戦開始以来、イスラエルは「医療機器、暖房用品、テント、移動式住居の運び入れを認めるなどの、人道上の指示を順守していない」と主張した。

ハマスは以前、6週間にわたる停戦合意の第1段階の期間中、約30万張りのテントと6万個の移動住宅の運び入れを、イスラエルが許可する必要があるとしていた。

ガザで人道問題を担当するイスラエルの軍事組織、イスラエル占領地政府活動調整官組織(COGAT)は、イスラエルが「1週間あたり4200台の人道支援トラックのガザ進入を許可する義務を重視し、順守している」とし、それらの支援物資にはテントや避難施設も含まれているとしている。

(英語記事 Six babies have died from cold in Gaza over two weeks, medics say

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c93kqwzpqd9o


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