2025年3月23日(日)

BBC News

2025年3月5日

ウクライナのゼレンスキー大統領(左)とアメリカのトランプ大統領の会談は口論となった(2月28日、米ホワイトハウス)

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4日、アメリカのドナルド・トランプ大統領との先月末の会談が口論となったことを「遺憾」とし、トランプ氏の「強力なリーダーシップ」の下で永続的な和平の達成のために動く用意があると表明した。

ゼレンスキー氏は、アメリカがウクライナへの軍事支援の一時停止を明らかにしたあと、ソーシャルメディアに長文を投稿した。

その中でゼレンスキー氏は、トランプ氏から交渉のテーブルに着く準備ができていないと非難されたことに絡み、「物事を正す時だ」とした。

また、戦争を終わらせるために素早く行動する用意があると表明。「捕虜の解放と、空での停戦、そして海での停戦を直ちに実施することが、最初の段階になりうる。空での停戦は、ミサイルや長距離ドローン(無人機)の使用禁止、エネルギーなど民間インフラへの爆撃禁止からなる」とした。

そして、「それからその後のすべての段階を非常に迅速に進め、アメリカと協力して強力な最終協定に合意したい」と書いた。

2月28日の米ホワイトハウスでのトランプ氏との会談については、「想定通りにはいかなかった」と説明。「このような結果となったのは遺憾だ」、「物事を正す時だ。今後の協力とコミュニケーションは、建設的なものにしていきたい」とした。

ゼレンスキー氏はさらに、ウクライナがアメリカと鉱物資源に関して協定を結ぶ用意があると改めて強調。同時に、アメリカのこれまでのウクライナへの支援に対する感謝を、次のような言葉で表明した。

「ウクライナの主権と独立の維持のため、アメリカがどれだけのことをしてくれたか、本当にありがたく思っている」

「トランプ大統領が(政権1期目に)ウクライナに(対戦車ミサイルの)ジャヴェリンを提供してくれたことで事態が変わったのを、私たちは覚えている。そのことに感謝している」

ゼレンスキー氏はトランプ氏と会談した際、J・D・ヴァンス米副大統領から、アメリカの軍事支援に対して恩知らずだと非難された。その後、トランプ氏からも、あまり感謝しているとは感じられないと批判された。

英仏首脳らが支持

ウクライナと同盟関係にある国々の指導者らは、ゼレンスキー氏の姿勢を支持している。

イギリスのキア・スターマー首相は、ゼレンスキー氏の「和平を確実にするための確固としたコミットメント」を歓迎すると表明。

「すべての関係者ができるだけ早く、ウクライナの永続的で安全な和平に向けて取り組むことが極めて重要」だと声明で述べた。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領も、ゼレンスキー氏がトランプ氏と「再び対話する」意志を示したことを称賛した。

ゼレンスキー氏の今回の意思表明は、トランプ政権が求めていた、トランプ氏に対する謝罪には至っていない。

こうしたなかロシアは、アメリカによるウクライナへの軍事支援の一時停止を歓迎。和平への「最大の」貢献になる可能性が高いとした。

クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官はBBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長に、「アメリカが供与を止めたり、一時停止したりすれば、おそらく和平の大義への最大の貢献となるだろう」と話した。

(英語記事 Zelensky vows to 'make things right' with Trump and negotiate peace

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cgr2xdrl0l7o


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