
韓国で6日午前、戦闘機が実弾での訓練中、爆弾8発を誤って民間地域に投下した。当局によると、これまでに15人が負傷し、うち2人は重傷とされる。
当局などによると、空軍のKF-16戦闘機1機が午前10時4分ごろ、北朝鮮との境界に近い抱川(ポチョン)市で爆弾を誤って投下した。
爆発したのは爆弾1発だけとみられている。ポチョン市当局は、不発だった7発について、爆弾処理チームが作業を進めているとBBCに話した。付近の住民は避難したという。
実弾演習の砲弾が民家の近くに着弾することはあるが、負傷者が出ることはめったにない。
現地メディアによると、2人が首と肩を骨折したという。
聯合ニュースは、爆発があった時に車を運転していた男性(60)の首に、爆弾の破片が刺さったと伝えた。
男性は、「運転中に『ドーン』という音がした」、「気づくと救急車の中だった」と話したという。
韓国空軍は、「KF-16(戦闘機)がMK-82爆弾8発を異常投下した。射撃場の外に着弾した」とする声明をBBCに出した。
同軍は調査を進めており、被害について謝罪するとともに、被害を受けた人々に補償を提供するとした。
軍事専門家でシンクタンク「峨山(アサン)政策研究院」研究員のヤン・ウク氏は、「計画より低い高度で投下された」爆弾は爆発しない可能性があるとBBCに説明した。
教会の建物1棟と何棟かの家屋が被害を受けた。
現地メディアに掲載された画像では、建物の窓ガラスが割れ、教会の屋根が破損している。
聯合ニュースは、自宅でテレビを見ていたところ、「雷のような」爆発音がして家が揺れたとする地元住民の話を伝えた。
現場近くの高齢者ケアセンターの責任者は、建物の窓ガラスが割れ、指導者の1人が負傷して病院に運ばれたと説明。高齢者にけがはなかったが、「とても怖がっていたので、全員家に帰した」と話した。
国防省によると、この日の訓練は米軍との共同演習に関連したものだという。
韓国とアメリカは今月10~20日、ドナルド・トランプ政権発足後初の合同訓練を実施する予定。両国は、北朝鮮とロシアが同盟関係を強めているのを警戒している。
2022年の米韓合同軍事演習では、短距離弾道ミサイルが誤作動によって軍基地内のゴルフコースに落下した。弾頭は爆発しなかったが、炎上して周辺住民をパニックに陥れた。
(英語記事 Seven injured after SK fighter jet accidentally drops bombs)