
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6日、ウクライナとアメリカが来週、サウジアラビアで協議すると述べ、「有意義な会談」になることへの期待感を示した。
ゼレンスキー氏はこの日、ブリュッセルで開かれた欧州首脳らの会議に出席。その後、ソーシャルメディア「X」で欧州首脳への感謝を連投する中で、ウクライナとアメリカによる会談について発表した。
ゼレンスキー氏は、サウジアラビアを訪れるが、会談には参加しない見通し。Xへの投稿では、ウクライナが「迅速かつ永続的な」和平の実現に努力していると述べた。
ゼレンスキー氏は、「ウクライナとアメリカのチームは作業を再開した。来週には有意義な会談ができることを期待している」と表明した。
大統領は、ロシアに戦争を「終わらせる必要性を認め」させるため、国際社会が同国への圧力を強めるよう呼びかけ「ウクライナの人々は本当に平和を求めているが、そのためにウクライナを諦めるという代償を払ってのことではない」とした上で、「ウクライナは戦争の最初の瞬間から平和を求めている。戦争が続いているのはひとえにロシアのせいだと、私たちは常に指摘してきた」と書いた。
ゼレンスキー大統領とアメリカのドナルド・トランプ大統領は先月末、ホワイトハウスで記者団を前に口論となった。トランプ氏はゼレンスキー氏を、戦争を終わらせる用意がないと責めた。米政府はその後、ウクライナへの軍事支援と情報提供を一時停止した。
ゼレンスキー氏は4日、口論となったのは遺憾だと表明。ウクライナにとって最大の軍事支援国のアメリカとの関係修復に努めた。
アメリカのスティーヴ・ウィトコフ中東特使は6日、ロシアとウクライナの戦争を終わらせるため、和平の「枠組み」について話し合いたいと述べた。
ウィトコフ氏は、トランプ氏がゼレンスキー氏から、「謝罪」と「感謝の気持ち」が示された書簡を受け取ったと説明。「ウクライナとの関係が元の軌道に戻り、すべてが再開するのを望んでいる」と述べた。
アメリカはゼレンスキー氏に対し、和平交渉の前に譲歩を示すよう強く求めている。一方、ゼレンスキー氏は、確固たる安全の保証を要求している。
2022年2月に全面侵攻を開始したロシアは現在、ウクライナ領土の約20%を掌握している。
仏大統領案をめぐる反応
ゼレンスキー氏はこの日の投稿で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が今週まとめた停戦計画にも言及した。この計画には、空と海で停戦し、エネルギー関連などの民間インフラへの攻撃をやめることが盛り込まれている。
フランスの提案について、ロシアは公式にはコメントしていない。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は6日、「私たちの国の平穏を長期的に確実にする」和平を望んでいると表明。「他者のものは一切いらない。だが、自分たちのものを何ひとつ手放すこともない」と付け加えた。
ロシアは2014年にウクライナ南部のクリミア半島を併合。さらに、ウクライナ南東部4州を自国領と主張している。ただ、ロシアはそれら4州を完全に掌握しているわけではない。
ウクライナと同国を支援する欧州各国はここ数週間、トランプ氏がロシアに接近しているとして警戒感を示している。
トランプ氏は昨年の大統領選で、ウクライナでの戦争を早期に終わらせると宣言。アメリカは先月、サウジアラビアで、欧州やウクライナの代表を交えずに、ロシアとの予備協議を行った。
アメリカによるウクライナへの軍事支援の停止については、トランプ政権の高官らが、ウクライナに米主導の和平交渉に協力するように仕向けるための手段だとしている。
アメリカがロシアにも譲歩を迫っているのかどうかは、公表されていない。
(英語記事 Zelensky hopes US-Ukraine talks next week will be 'meaningful')