
米宇宙企業スペースXのロケットが6日、米テキサス州での打ち上げ直後に爆発した。飛行は中断され、破片の落下に関して警告が出された。
スペースXは、無人の宇宙船が宇宙へと上昇中、「予定外の急速な分解」が発生し、地上との連絡が途絶えたと明らかにした。
過去最大のロケット「スターシップ」は、打ち上げ直後に制御不能に陥った。負傷者や被害は報告されていないが、カリブ海の島国で撮影された画像では、燃える破片が空から降っていたのがわかる。
このロケットの試験は8回目で、2回連続での失敗となった。
「スターシップ」は全長123メートルで、1時間の飛行の後、インド洋上で地球周回軌道に再突入する予定だった。
打ち上げを助ける推進装置「スーパーヘビー」は、発射台への帰還に成功した。
富豪のイーロン・マスク氏が所有するスペースXは、「不測の事態に対してあらかじめ計画してあった対応」のため、直ちに安全当局と調整を開始したとする声明を発表。
爆発の「根本原因をよりよく理解するために」データを見直すとした。また、爆発は「いくつかの」エンジンが失われた後に起こったと説明した。
そして、「いつもと同じく、成功は学びから生まれる。今日のフライトは、スターシップの信頼性を向上させる新たな教訓となるだろう」と、声明は述べている。
声明によると、破片は事前に計画されたエリア内に落下したはずだという。また、ロケットには有毒物質は含まれていなかったという。
マスク氏は、爆発についてまだコメントを出していない。
バハマでは住民らが避難
この事故により、フロリダ州のいくつかの空港では、破片への懸念からフライトが一時停止された。
スペースXは今年1月にもテキサス州で「スターシップ」を打ち上げ、発射数分後に失敗した。
スペースXのフライト・コメンテーターであるダン・ヒュート氏は6日、「残念ながら前回もこのようなことが起きたので、今はある程度上達している」と発射場で記者団に話した。
米メディアによると、今回の「スターシップ」の打ち上げは、連邦航空局(FAA)が1月の爆発事故の調査を終える前に実施されたという。
Xに投稿された映像には、カリブ海上空で落下する、炎のようなロケットの破片とされるものが映っている。バハマでは、人々が破片から身を守るために避難場所を探しているとの投稿があった。
「スターシップ」はこれまでに製造された中で最大かつ最も強力なロケット。火星を植民地化するというマスク氏の野望にとって重要な鍵となっている。
スペースXの宇宙船「スターシップ」とロケット「スーパーヘビー」は、まとめて「スターシップ」と呼ばれている。それらは完全に再利用が可能なようにできていると、同社は説明している。
米航空宇宙局(NASA)は、この宇宙船を改良したものを月着陸船として使用し、アルテミス計画で月へ戻ることを計画している。
マスク氏はさらに遠い将来に、「スターシップ」を火星往復の長旅に使いたいと考えている。火星へは片道で約9カ月かかるとされている。
(英語記事 SpaceX rocket explodes, raining debris from sky for second time in a row)