
ポーランドのドナルド・トゥスク首相は7日、ポーランドのすべての成人男性に軍事訓練を受けさせる計画を立案中だと話した。
トゥスク首相は議会での演説で、政府は今後数カ月以内に詳細を発表する予定だと説明。「ポーランドのすべての成人男性に対して、大規模な軍事訓練を準備する努力が進められている」と語った。
「今年末までにこの計画を策定し、ポーランドのすべての成人男性が戦争に備えて訓練を受けるようにして、潜在的な脅威に対してこの予備軍がふさわしく対応できるようにするつもりだ」
トゥスク氏は、ウクライナ軍が兵80万人を擁し、ロシア軍は約130万人だと述べたうえで、予備役を含めたポーランド軍の規模を現在の約20万人から50万人に増やしたいと述べた。
「物事を賢く取りまとめれば、そして私は国防相と常に話し合っているが、いくつかの行動方針に沿って動く必要があるだろう。これには予備役だけでなく、入隊しない人々が、紛争時には万全に訓練された有能な兵士でいられるようにするための、集中的な訓練も含まれる」
また、女性も軍事訓練を受ける可能性があるものの、「戦争は依然として大部分が、男性の領域だ」とした。
防衛費の拡大と軍備増強
トゥスク氏はさらに、欧州をフランスの傘の下に収めるというフランス案についても「慎重に検討している」、「まず第一に、その兵器に対する権限という意味で、詳細を知りたい」と述べた。
トゥスク氏は、ウクライナが核兵器を放棄した後に侵略されたことに言及したうえで、たとえどれだけ遠い未来のことだとしても、ポーランドも独自の核兵器を取得したいと述べた。
「我々が独自の核兵器を持っていれば、今より安全なことは現時点で明らかで、それには疑いの余地がない。いずれにせよ、その道のりは非常に長く、国民的合意も必要だ」
トゥスク氏はさらに、対人地雷の使用を禁止するオタワ条約からの脱退を支持し、クラスター弾の使用を禁止するダブリン条約からの脱退も検討していると述べた。
ポーランドは、2022年にロシアが隣国ウクライナに全面侵攻を開始して以来、防衛費を増加させている。
今年はすでに、国内総生産(GDP)の4.7%を防衛に費やす計画を立てている。これは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の中で最も高い割合。
トゥスク氏は議会で、防衛費をGDPの5%に増やすべきだと述べた。
同国のアンジェイ・ドゥダ大統領も以前、防衛費をGDPの4%にすることを義務付ける憲法改正を提案していた。
先には、M1A2エイブラムス戦車250両、F-35戦闘機32機、アパッチヘリコプター96機、ジャベリンミサイル、砲兵ロケットシステムを購入するために、アメリカと約200億ドル相当の武器契約を締結した。
また、韓国からK2戦車とFA-50軽戦闘機を購入する契約も結んでいる。
アメリカのドナルド・トランプ大統領がウクライナへの軍事供給を停止する決定を下したことを受けて、ポーランドでは将来の安全保障に対する不安が高まっている。多くのポーランド人は、ウクライナ支援が自国の安全保障にとって重要だと考えている。
ワルシャワ近郊の小さな町ミラヌヴェクのミロスワフ・カズノフスキ副市長は、今週BBCニュースの取材に対し、企業や家庭向けの低コストの地下防空壕を建設するスタートアップに自分の友人が投資することになったと話した。
その友人は、地下シェルターに対する世間の関心は高いと話したという。