2025年3月22日(土)

BBC News

2025年3月10日

拘置所の外で支持者に手を振る韓国の尹錫悦大統領

昨年12月に「非常戒厳」を宣布したことが内乱罪に当たるとして今年1月に刑事起訴され、拘束されていた韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(64)が8日、拘置所から釈放された。ソウルの裁判所はこの日、手続き上の理由などから拘束を取り消した。

52日ぶりに自由の身となった尹氏は、拘置所の外で支持者に手を振った後、公用車で大統領公邸に戻り、そこでさらに多くの支持者に迎えられた。

聯合ニュースによると、この日にはソウルで尹氏を支持する集会が開かれ、5万人以上が参加した。また、やや少ない反対派の抗議も行われた。

尹氏は釈放後、弁護士を通じての声明で「この国の人々に感謝の意を表します」と述べた。

尹氏の弁護士は、大統領の身柄拘束は違法だと主張し、裁判所も多数の法的・手続き上の理由に基づいてこれに同意した。一方、検察はこの判決が「不当」だと主張した。

尹大統領は昨年12月に非常戒厳を敷こうとして失敗し、国会によって弾劾された。また刑事訴追をめぐっては、2週間にわたって緊張した局面が続いた大統領公邸での拘束令状執行に際して尹氏は拘束に抵抗し、警備員と警察の間で衝突があった。

内乱罪に関する刑事裁判は今年中に行われる予定。有罪となれば、尹氏は終身刑または死刑に直面する可能性がある。

一方、憲法裁判所が進めていた弾劾裁判は、数日以内に判断が出ると予想されている。弾劾訴追によって尹氏は職務停止となっているが、今なお名目上は韓国の大統領職にある。

裁判が続いているにもかかわらず、支持者らの支援は続いており、当局は混乱に備えている。

(英語記事 South Korea's impeached president Yoon released from detention

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c1en34e2pweo


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