
昨年12月に「非常戒厳」を宣布したことが内乱罪に当たるとして今年1月に刑事起訴され、拘束されていた韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(64)が8日、拘置所から釈放された。ソウルの裁判所はこの日、手続き上の理由などから拘束を取り消した。
52日ぶりに自由の身となった尹氏は、拘置所の外で支持者に手を振った後、公用車で大統領公邸に戻り、そこでさらに多くの支持者に迎えられた。
聯合ニュースによると、この日にはソウルで尹氏を支持する集会が開かれ、5万人以上が参加した。また、やや少ない反対派の抗議も行われた。
尹氏は釈放後、弁護士を通じての声明で「この国の人々に感謝の意を表します」と述べた。
尹氏の弁護士は、大統領の身柄拘束は違法だと主張し、裁判所も多数の法的・手続き上の理由に基づいてこれに同意した。一方、検察はこの判決が「不当」だと主張した。
尹大統領は昨年12月に非常戒厳を敷こうとして失敗し、国会によって弾劾された。また刑事訴追をめぐっては、2週間にわたって緊張した局面が続いた。大統領公邸での拘束令状執行に際して尹氏は拘束に抵抗し、警備員と警察の間で衝突があった。
内乱罪に関する刑事裁判は今年中に行われる予定。有罪となれば、尹氏は終身刑または死刑に直面する可能性がある。
一方、憲法裁判所が進めていた弾劾裁判は、数日以内に判断が出ると予想されている。弾劾訴追によって尹氏は職務停止となっているが、今なお名目上は韓国の大統領職にある。
裁判が続いているにもかかわらず、支持者らの支援は続いており、当局は混乱に備えている。
(英語記事 South Korea's impeached president Yoon released from detention)