2025年3月23日(日)

BBC News

2025年3月10日

ドネツク州ドブロピリャへの攻撃では、複数の住宅が破壊された

ウクライナ当局は、週末にかけてのロシアの攻撃によって、国内各地で合わせて25人が死亡したと発表した。ウクライナでの戦争は収束する様子を見せていない。

7日にドネツク州ドブロピリャ町で行われた攻撃では、少なくとも11人が死亡し、40人が負傷した。当局によると、弾道ミサイル2発が住宅8棟とショッピングセンターを直撃。被害者には子供6人も含まれているという。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は通信アプリ「テレグラム」への投稿で、救急隊員が現場に到着した後、ロシアが「救助隊を意図的に狙った」別の攻撃を行ったと発言。「こうした攻撃は、ロシアの目的が変わっていないことを示している」と付け加えた。

ドネツク州では他にも、7日と8日に攻撃があり、9人が死亡し、13人が負傷したという。

東部ハルキウ州のオレフ・シニェフボウ知事は、8日早朝にボホドゥヒウでドローン(無人機)が店舗を攻撃し、3人が死亡、7人が負傷したと報告した。

7日には南部の港湾都市オデーサでも、民間およびエネルギーインフラがドローン攻撃を受けた。地元のエネルギー企業DTEKは、「この3週間で7回目の、地域のエネルギーシステムに対する攻撃だ」と述べている。

一方、ウクライナもロシアへの攻撃を続けている。ロシア国防省は、夜間にウクライナのドローン31機を迎撃したと発表した。

アメリカがウクライナへの軍事援助情報共有を一時停止するなか、ロシアの攻撃はここ数日で激化している。ドナルド・トランプ米大統領とウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は2月28日、ホワイトハウスでの会談で衝突。その後、アメリカは軍事援助と情報共有の停止を発表した。

ウクライナとロシアの和平を仲介しようとしているトランプ大統領は7日、「正直言って、ウクライナの相手をするのは前より難しくなっている」と述べた。

その一方で、「ロシアとの関係は非常に良好」で、「ウクライナ政府よりもロシア政府との交渉がやりやすいかもしれない」とトランプ氏は記者団に語った。

他方、「ウクライナとの停戦が達成されるまで、ロシアに対する大規模な制裁と関税を強く検討している」とも述べている。

アメリカはウクライナへの軍事援助と情報共有を一時停止するだけでなく、人工衛星画像へのアクセスも停止している。宇宙技術企業マクサーが7日に発表した。

トランプ政権がロシアのウラジーミル・プーチン大統領に接近する様子に、欧州はもはやアメリカの安全保障支援に頼れないのではないかと欧州で大勢が懸念を抱いている。

欧州連合(EU)の指導者らは6日にブリュッセルで会合を開き、防衛費の増加とウクライナへの支援の継続を承認した。

ポーランドのドナルド・トゥスク首相は8日、ソーシャルメディアでロシアの攻撃に言及し、「野蛮人をなだめようとすると、こういうことになる」、「ますます多くの爆弾、ますます多くの攻撃、ますます多くの犠牲者が出た」と述べた。

週明けには、スティーヴ・ウィトコフ米中東特使がサウジアラビアでウクライナの交渉担当者と会談し、ロシアとの停戦の可能性について話し合う予定。

ロシアは2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始。現在、ウクライナ領土の約20%を支配している。

(英語記事 Russian strikes kill at least 25, Ukraine says

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cwyg588ne72o


新着記事

»もっと見る