2025年3月26日(水)

BBC News

2025年3月12日

ロシアが、ウクライナによるドローン攻撃があったと報告した配送センターの駐車場。炎に巻かれたと思われる車が激しく損傷している

ロシアのモスクワ州で11日、ウクライナへの全面侵攻が始まって以来、最大規模とされるドローン(無人機)攻撃があり、3人が死亡した。ロシア当局が発表した。

現地メディアは保健当局の話として、一連の攻撃で3人の子どもを含む18人が負傷したと伝えた。

ロシア国防省は、ロシア全土で337機のドローンを迎撃し、そのうち91機はモスクワ州で撃墜したと発表した。

ウクライナの当局者は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、空と海での停戦に同意するよう促す信号として、この規模の攻撃を行ったと述べた。

ロシア当局によると、死亡したのは38歳、43歳、50歳の男性計3人。ドモジェドヴォ空港近くのヤム村にあるミラトルグ農業配送センターで働いていた。

モスクワ州のアンドレイ・ヴォロビョフ知事は、うち1人は警備員として働いており、他の2人は同センターで勤務を始めたばかりだったと説明。現地時間11日午前5時14分に、同センターにドローンが直撃したとした。

同センターは後に、駐車場で車40台が損傷したと発表した。

一方、モスクワ市の環状道路の南に位置するヴィドノエでは、集合住宅にドローンが直撃し、数人が負傷した。さらに東にあるラメンスコエでも別の集合住宅が損傷した。

同市のセルゲイ・ソビャーニン市長は、ラメンスコエでアパート7棟が損傷したと発表。これまでに経験した中で「最も大規模な」ドローン攻撃だったと述べた。

ソビャーニン氏によると、建物のうちの1棟の屋根がドローンの破片で損傷したが、その損傷は「軽微」だという。

また、夜間の攻撃後、子ども3人を含む12人が避難を余儀なくされたとも述べた。

攻撃後には、モスクワの鉄道1路線が停止したほか、モスクワの主要空港であるシェレメーチエヴォ、ドモジェドヴォ、ヴヌーコヴォ、ジュコーフスキーの各空港と、ヤロスラヴリ州とニジニ・ノヴゴロド州の空港で飛行制限が実施された。これらの空港は、毎年数百万人の乗客が利用する主要な交通拠点となっている。

ロシア当局はまた、10日夜にウクライナと国境を接するクルスク州のショッピングセンターが砲撃を受け、4人が死亡したと発表した。

ウクライナ当局も11日夜、首都キーウをはじめとするいくつかの地域でロシアのドローン攻撃があったと報告した。

ウクライナ空軍は、ロシアが発射した126機のドローンのうち79機と、イスカンデル-M弾道ミサイルを撃墜したと発表した。

さらに、電子戦対策により35機のドローンが目標に到達しなかった可能性が高いが、他の12機が目標に命中したかどうかは不明だと付け加えた。

犠牲者がいるかどうかは不明だ。

この攻撃は、サウジアラビアにアメリカとウクライナの代表が集まり、この戦争を終わらせることを目的とした重要な会議が始まる数時間前に発生した。

ウクライナはこの会議の後、アメリカが提案したロシアとの30日間の即時停戦を受け入れる用意があると発表した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、アメリカがロシアを説得して「前向きな」提案に同意させることができるかどうかは、今やアメリカ次第だと述べた。

一方、会議に出席したマルコ・ルビオ米国務長官は、ロシアに停戦案を示すとし、「ボールは向こうのコートにある」と述べた。

アメリカはまた、中断していたウクライナへの情報共有と安全保障支援を直ちに再開するとも述べた。

(英語記事 Largest drone attack of war hits Moscow region

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cvg5jzn80j0o


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