
ジェイムズ・グレゴリー記者、ショーン・コクラン王室担当編集委員
イギリス王室は27日、国王チャールズ3世(76)が、がん治療中に一時的な副作用を経験したため、同日に病院で短時間を過ごしたと発表した。
国王は治療後に居宅クラレンス・ハウスに戻り、公的文書を読んだり、電話でやり取りしたりするなどの公務を、書斎で続けたという。医師団の助言に従い、28日に予定されていた中部バーミンガム訪問は中止した。バーミンガムでは四つのイベント出席など、多彩な予定が組まれていた。
王室は2024年2月に国王のがん診断を初めて発表した。どのようながんなのかは、公表していない。
王室広報によると、27日には大使3人との面会も予定されていたが、それも影響を受けた。
「(国王は)28日にはバーミンガムで四つの行事に出席する予定だったため、今回欠席することになり非常に残念に思っている」と王室は発表し、「(国王は)しかるべき時期にあらためて予定できるよう希望しており、今回の訪問実現のため大いに努力してくれた全員に深く謝罪する」とした。
王室は、どのような副作用なのかは詳しく説明していない。
カミラ王妃は27日、ロンドン北部ウェンブリーで行われた行事に出席し、国王が病院に向かった際には同行しなかった。
王室の発表を受けて、キア・スターマー首相の報道官は「国王陛下のご多幸を心よりお祈りいたします」と述べた。
チャールズ国王はがん治療を受けながらも、さまざまな行事に出席して大勢と会う公務を精力的にこなしている。
今月10日にはロンドン・ウェストミンスター寺院で毎年恒例の英連邦記念ミサに出席。中旬には英・北アイルランド各地を3日間かけて訪れた。
今月はこのほか、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領や、カナダのマーク・カーニー新首相を歓待している。
4月に予定されているイタリア公式訪問も、細かい日程を多少変更しつつ、実施する予定だと王室は先に発表している。
(英語記事 King experiences temporary side effects of cancer treatment)