
ミャンマー中部で28日午後、強い地震が発生した。米地質調査所(USGS)によると、マグニチュード7.7だった。強い揺れは隣国タイや中国でも感じられ、バンコクでは建設中のビルが崩壊した。多数の死傷者が出ているとみられる。
USGSによると、震源地はミャンマー・ザガイン市の北西16キロメートルで、震源の深さは10キロメートル。
その地震の12分後にも、2回目の地震が発生した。震源地はザガインの南18キロ、マグニチュード6.4だった。
震源地に近いミャンマー第2の都市マンダレーの救助隊員は、被害は「甚大」で、死傷者は「少なくとも数百人」に上るとBBCに話した。マンダレーの人口は約150万人。
首都ネピドーでは、道路の陥没が報告されている。軍事政権は、六つの州・地方に非常事態宣言を出した。
最大都市ヤンゴンに住むソウ・ルウィンさんは、最初の地震を「長い間」感じたと述べた。住民は余震を心配しているという。
ミャンマーでは、2021年のクーデターで軍事政権が権力を握って以来、政治的混乱が続いている。ラジオやテレビ、印刷物、オンラインメディアはほぼすべて、軍事政権が統制している。インターネットの使用も制限されており、情報を得るのが難しい場合が多い。
タイ首都で建設中のビル倒壊
震源地から1000キロ以上離れたタイの首都バンコクでも、高層ビルが倒壊する被害が出た。副首相によると、この倒壊で少なくとも81人の建設作業員が行方不明になっているという。
タイ国立救急医療センターは、このビル倒壊で3人の死亡が確認されたとした。また、68人が負傷して病院に搬送され、5人が重体だという。
バンコクではまた、揺れるビルの屋上プールから水がこぼれ落ちた。
バンコクに住むBBCのブイ・トゥー記者は、自宅で料理をしていた時に最初の地震があったと、BBCワールドサービス番組「ニュースデイ」で説明。「とても不安になり、パニックになった」と話した。
また、「バンコクの建物は地震を想定して設計されていない。そのため、大きな被害が出ると思う」と述べた。
(英語記事 State of emergency declared in Myanmar after huge earthquake/Myanmar earthquake: What we know Hundreds feared dead as quake hits Myanmar and Thailand, with dozens trapped in collapsed Bangkok building)