2025年4月20日(日)

BBC News

2025年4月3日

地震によって倒壊したパゴダ(仏塔)の前を通る仏僧

ミャンマー軍は2日、対立する勢力との一時的な停戦を発表した。3月28日に発生した壊滅的な地震を受け、救援と復興活動を加速させるためとしている。

現在ミャンマーを統治している軍事評議会は、停戦は4月2日から22日まで有効だとしている。

軍事政権と対立する民主派勢力などは今週初め、救援活動を支援するために一方的に停戦を宣言していたが、軍は2日の発表まで同様の対応を拒否していた。

ミャンマー中部で発生したマグニチュード7.7の地震による死者は、2日までに少なくとも2886人に上った。軍が明らかにした。数百人が依然として行方不明となっているという。

地震は隣国タイなど、数百キロ離れた場所でも感じられた。タイでの死者数は21人に達している。

ミャンマーは、2021年のクーデターで権力を掌握した軍事政権と、国内の民族をもとにした民兵集団や民主化を求める勢力などとの間で内戦が続いており、暴力が絶えない。

地震以降、ミャンマーの人道危機は著しく悪化している。実際の死者数は、軍事政権が公表した数字よりもはるかに多いと考えられている。

現在、複数の国際援助機関や政府が、被災地に人員と物資を派遣している。

ミャンマー軍が中国赤十字の車列に発砲

1日夜には、ミャンマー軍が救援物資を運ぶ中国赤十字の車列に発砲した。

この車列は、震源地近くの被災地マンダレーに向かっていた。負傷者は報告されていない。

軍事政権はこの件を調査中だとする一方、車両に直接発砲したことは否定。車列が停止の合図を無視したため、空に向けて警告射撃を行ったと説明している。

軍の報道官によると、前日の1日夜、部隊がナウンチョー郡から来る援助の車列を目撃した。車両には中国のステッカーとミャンマーのナンバープレートが付いていたが、軍は車両の移動について事前に通知されていなかったという。

「車列を見て停止させたが、車列は動き続けた。我々は約200メートル離れた場所から発砲したが、止まらなかった」と、報道官は説明した。

「約100メートル離れた場所で空に向けて3発の警告射撃を行った後、車両はナウンチョーに向かって引き返した」

そのうえで報道官は、国際機関が援助を提供する際には、ミャンマー政府に通知する必要があると付け加えた。

赤十字の車列を護衛していた反軍事政権の武装勢力「タアン民族解放軍(TNLA)」は、軍の部隊が北東部シャン州で9台の車両からなる車列に機関銃で発砲したと述べた。

また、車列がマンダレーに向かうことを軍事評議会に通知していたと述べた。

声明によると、赤十字の車列はシャン州ナウンチョー郡に退避した後、再びマンダレーに向かうという。

中国の外務省は2日、救援チームと物資が無事だと発表。「ミャンマーのすべての勢力と関係者が、地震救援活動を最優先にすることを望む」と述べた。

(英語記事 Myanmar military announces temporary ceasefire

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c4grmpj32y7o


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