
米ニューヨークで10日、スペイン人観光客の家族を乗せたヘリコプターがハドソン川に墜落し、子供3人を含む搭乗者6人全員が死亡した。当局が発表した。
墜落時、ヘリコプターには子供3人と大人3人が乗っていた。ニューヨークのエリック・アダムス市長は記者団に対し、うち5人はスペインからの観光客で、もう1人はパイロットだったと説明した。
当局によると、ヘリコプターはジョージ・ワシントン橋で方向転換した直後に制御を失い、ニュージャージー州側の川岸に沿って飛行していたという。
ニューヨーク市消防局のロバート・タッカー局長によると、午後3時17分(日本時間11日午前4時17分)ごろに墜落の最初の通報があり、救助ボートが直ちに出動した。
現場に到着した救助隊は、水中を捜索し、搭乗者に「即時の救命措置」を開始した。しかし、現場で4人の死亡が宣告され、2人は地元の病院で死亡が確認されたという。
ヘリコプターの墜落地点は、マンハッタンの西側に近い。周辺はウェスト・ヴィレッジと呼ばれる、小売店や飲食店で立ち並ぶ地域で、、ニューヨーク大学のメインキャンパスにも近い。
ニューヨーク市警察トップのジェシカ・ティッシュ本部長は、遺族に通知が行われるまで犠牲者の身元は公表しないと述べた。墜落の原因は調査中だとした。
米連邦航空局(FAA)は、国家運輸安全委員会が2枚羽根のヘリコプター「ベル206」の墜落調査を行うと発表した。
「ベル206」は観光会社やテレビ局、警察署で使用されているヘリコプターである。
ソーシャルメディアに投稿された動画には、ヘリコプターが空から逆さまに落下し、ハドソン川に着水する様子が映っている。
墜落時に世界貿易センタービルにいたBBC記者によると、現場周辺には十数隻のボートが集まっていたという。
アダムス市長は、「搭乗者のご家族に心からお悔やみ申し上げます」と語った。
ニューヨーク市では2018年にも、観光ヘリコプターがイースト川に墜落。乗客5人全員が死亡し、パイロットが生き残った。2009年には、イタリア人観光客を乗せたヘリコプターがハドソン川上空で民間機と衝突し、9人が死亡した。
(英語記事 Six dead after helicopter crashes in New York's Hudson River)