2025年4月22日(火)

BBC News

2025年4月14日

ニキータ・カサップ被告

アメリカの連邦捜査局(FBI)はこのほど、ウィスコンシン州の高校生が、ドナルド・トランプ大統領の暗殺計画の一環として両親を殺害したとみられると明らかにした。

ニキータ・カサップ被告(17)は、母親タティアナ・カサップさん(35)と継父ドナルド・メイヤーさん(51)に対する殺人罪に問われている。

両親は2月28日、ミルウォーキー近郊ウォーケシャの自宅で、地元当局によって遺体で発見された。被告が2週間、学校に登校しなかったことから、当局が自宅を訪れた。

起訴状などによると、メイヤーさんは頭部への銃創、カサップさんは複数の銃創により、どちらも2月11日かその前後に死亡した。

両親の遺体が発見された日、被告はカンザス州でメイヤーさん所有の2018年型フォルクスワーゲン・アトラスを運転していたところ、警察に止められた。

車内からは、メイヤーさんの拳銃(スミス&ウェッソン、.357口径)、夫妻のクレジットカード4枚、「複数の」貴重な宝石類、こじ開けられた金庫、現金1万4000ドル(約200万円)が見つかった。現金のほとんどは、聖書の中にあったという。

裁判で新たに公開された捜索令状によると、被告の携帯電話からは、ネオナチ団体「ナイン・アングルズ教団」に関する資料や、アドルフ・ヒトラーへの賛辞が見つかった。

捜査当局は、反ユダヤ主義的な文章も発見した。その中で被告は、政府転覆を目標とし、その一環としてトランプ大統領を殺害する計画を詳しく記していたという。さらに、白人至上主義の信条を表明し、政治革命を起こすためだとして、トランプ大統領の暗殺を呼びかけていたという。

捜査当局は、両親を殺したとされる被告の行為について、「自分の計画を実行するために必要な、経済的手段と自律性を得るための努力だったと思われる」としている。

被告は第1級故殺に加え、死体隠匿や個人情報の窃盗など七つの重罪に問われている。

ロシア人らと計画について話したか

裁判文書によると、被告は両親の殺害計画について、ロシア国内にいる複数の相手と話をしていたという。

当局は、被告が犯行に使うドローン(無人機)と爆発物の代金を支払い、ウクライナへの逃亡を計画していたとしている。

「彼は大統領を殺してアメリカ政府を転覆させる計画について、他の関係者と連絡を取り合っていた」と捜査当局は書いている。

被告は4月9日に予備審問を受けた。罪状認否はまだしていない。

ウォーケシャ郡裁判所によると、被告は次回5月7日に罪状認否のために出廷し、正式に罪状が告げられる。現在、拘束されており、保釈金100万ドル(約1億4200万円)が設定されている。

(英語記事 Teen killed parents as part of Trump assassination plot, says FBI

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c0r57gwvx0yo


新着記事

»もっと見る