
アフリカのスーダン西部ダルフールでこのほど、準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」の攻撃によって400人以上が殺されたと、国連が14日、「信頼できる情報源」からの情報として発表した。
RSFは先週、北ダルフール州の州都エル・ファーシル周辺の難民キャンプで激しい地上攻撃と空爆を開始。対立するスーダン軍がダルフールで最後まで保持している同市を奪取しようとした。
スーダンでは2023年4月以来、双方による権力闘争を発端とした内戦が続いている。これにより、同国では世界最大の人道危機が発生し、数百万人が家を追われている。
国連は、今月10日から12日の間に148人の死亡を確認したが、実際の犠牲者ははるかに多いと警告している。
国連のラビナ・シャムダサニ報道官はBBCに対し、検証がまだ進行中のため、13日の状況はこの人数に反映されていないと話した。また、「信頼できる情報源によれば、400人以上が殺害された」と語った。
国連によると、犠牲者には少なくとも9人の人道支援活動家が含まれているという。
エル・ファーシル周辺の難民キャンプ、ザムザムとアブショウクには、70万人以上が避難している。ここでは大勢が、飢饉(ききん)のような状況に直面している。
RSFは12日に発表した声明で、民間人を攻撃しておらず、ザムザムでの殺害の様子は、RSFを貶めるために演出されたものだと述べた。
翌13日には、RSFはスーダン軍から難民キャンプを「解放することに成功」したと発表。軍がザムザムを「軍事兵舎として使用し、無実の民間人を人間の盾として利用している」と非難した。
エル・ファーシルは、ダルフールで軍の支配下にある最後の主要都市で、RSFによる包囲が1年間続いている。スーダンの残虐な内戦は、15日に3年目に突入する。
国連のフォルカー・トゥルク人権高等弁務官は、関係者全員に「紛争解決に向けた具体的な措置を取る決意を新たにする」よう呼びかけた。