
アメリカのドナルド・トランプ大統領は14日、ウクライナで戦争を始めた責任は、同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領にあると述べた。また、この戦争で「数百万人が死んだ」責任は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とゼレンスキー氏のどちらにもあると述べた。ウクライナでは13日、北東部スーミがロシアにミサイル攻撃され、少なくとも35人が死亡、117人が負傷している。
この発言は、トランプ氏がホワイトハウスでエルサルバドルの指導者と会談した際に、記者団の質問に答える中で出た。
トランプ氏は、「自国より20倍大きい相手と戦争を始め、他国からミサイルをもらおうと望むなんてありえない」と述べた。同時に、ジョー・バイデン前米大統領にも、戦争の責任があるとした。
トランプ氏はまた、ゼレンスキー氏の能力を疑問視し、同氏が「いつもミサイルの購入を考えている」と発言。「戦争を始めるなら、勝てると分かっていなくてはならない」と述べた。
トランプ氏はさらに、「数百万人が死んだのは3人のせいだ」と発言。「1人目はプーチン、2人目は自分が何をしているか全く分かっていなかったバイデン、そしてゼレンスキーだ」と続けた。
ロシアが2022年2月24日にウクライナへの本格侵攻を開始して以来、双方の死傷者は合わせて「数百万人」までではないが、数十万人には上ると推定されている。
トランプ氏とゼレンスキー氏は、2月にホワイトハウスで激しく対立して以来、緊張が高まっている。
ゼレンスキー氏は、13日に放送された米CBS番組「60ミニッツ」のインタビューで、トランプ氏に対し、戦争終結のためにプーチン氏と取引をする前に、ウクライナを訪れるよう要請した。
「お願いですからどうか、何かを決めたり交渉をしたりする前に、破壊されたり亡くなったりした人々、市民、戦闘員、病院、教会、子供たちを見に来てほしい」と、ゼレンスキー氏はトランプ氏に呼びかけた。
このインタビューは、ロシアによる13日のスーミ攻撃の前に収録された。
今年最多の民間人死者
ロシアは13日のスーミ空爆について、ウクライナ兵の会合の場にイスカンデル・ミサイルを2発を撃ち込み、60人を殺したと発表した。だが、証拠は示さなかった。
民間人の死者が今年これまでで最多となったこの攻撃は、世界中で怒りを呼んだ。トランプ氏も、ロシアの攻撃は「間違い」だったと述べていた。
トランプ氏は「殺し合いを止めたい」とし、近々提案をすると示唆したが、詳しいことは話さなかった。
(英語記事 Trump blames Zelensky for starting war after massive Russian attack)