2025年4月22日(火)

BBC News

2025年4月16日

顧客のでん部に印をつける施術者

イギリスの広告基準協議会(ASA)はこのほど、尻の形を整える、リキッド「ブラジリアン・バット・リフト(BBL)」と呼ばれる美容整形手術を提供する6社の広告を禁止した。BBLのリスクを矮小化(わいしょうか)し、身体のイメージをめぐる女性の不安につけ込んでいるとしている。

問題の広告はいずれも、フェイスブックやインスタグラムで表示されていた。期間限定のキャンペーンをうたい、顧客に予約を「無責任に迫って」いたと、ASAは指摘している。

ある広告は、「桃のような完璧な見た目」を手に入れる「特別な機会」だとして、人々を誘い込もうとしていたとされる。

リキッドBBLは「フィラー」を注入することで、臀部(でんぶ)をリフトアップし、大きく見せたり丸くしたりする。

ASAは、美容整形にはリスクが伴うことから、即座に予約して得をするようなものではなく、時間をかけた熟慮が必要な決断であることを示すべきだとしている。

また、クリニック側は社会的責任を果たさなければならず、施術を小さなことのように思わせたり、消費者の不安につけ入ったりすべきではないとしている。

当該広告の一つは、「当院の安全で効果的なボディ・フィラー治療で、あなたがずっと欲しかった曲線と輪郭を手に入れよう。全てのステップで自信を感じてください! 安全で、実績があり、美しく自然な結果が得られます」とアピールしていた。

別の広告は、無菌クリニックなので感染症になる確率は0%で、痛みも最小限で済むと主張していた。

ASAは、リキッドBBLには感染症など、一定程度のリスクがあるとしている。

「マーケティングする側は、特定の体系や外見に合わせることで、幸せやウェルビーイング(健康で幸せな、良好な状態にあること)を得られると示唆してはならない」と、ASAは付け加えた。

ASAはAI(人工知能)を活用し、規則違反の可能性のあるオンライン広告を検索しているという。

クリニックの反応

禁止措置を受けたクリニックのうち、「Beautyjenics」、「Bomb Doll Aesthetics」、「Ccskinlondondubai」は、ASAの問い合わせに回答しなかった。

「Rejuvenate Clinics」は、ASAのガイダンスを見直し、期間限定オファーに関する記載を全て削除するとしている。また、リスクを最小限に抑えて安全性を高めるために、医療専門家による超音波を用いた手術を行っていることを広告に記載するという。

「EME Aesthetics」は、全ての顧客には十分なカウンセリングを提供しており、施術を予約する義務もないため、自社の広告は消費者に圧力をかけたり、美容施術のリスクを矮小化したりするものではないと考えていると回答した。

「Dr Ducu」は、ASAの規則とガイダンスに従うと回答。ブラックフライデーの期間限定オファーは、割引料金でサービスを利用できる機会を消費者に提供することを意図したものだったとした。また、消費者には常に、圧力を感じることなく、情報を得たうえで決断することを奨励しているとした。

(英語記事 Brazilian butt lift ads banned by UK regulator

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cg4121l1gzgo


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