
トルコの最大都市イスタンブール付近で23日昼、マグニチュード(M)6.2の地震が発生した。余震が続き、大勢が家から避難した。
イスタンブール県のダヴト・ギュル知事はソーシャルメディアで、逃げる際に高い場所から飛び降りるなどした住民ら、少なくとも151人が負傷したが、死者はなく、重大な構造物の被害も報告されていないとした。
同国の災害緊急事態対策庁(AFAD)によると、この日の最大の地震は、現地時間午後0時49分(日本時間午後6時49分)に発生。震源の深さは6.92キロだった。
余震が続き、多くの人々が通りにとどまって、さらなる強い揺れに備えて夜を外で過ごす準備をした。
震源は、イスタンブールから西に80キロほどのシリウリ沖のマルマラ海だった。同市当局によると、最初の地震から数時間で50回以上の余震が記録されたという。
住民は今回の地震を、ここ数年で感じた最も強い揺れだと話しており、さらに大きな地震を恐れている。
イスタンブールでは、繁華街のベシクタシュの広場に大勢が集まり、夜を外で過ごす準備をしている。ベシクタシュは学生が多く集まる地域でもある。
学生のセリム・ウスタオールさんはBBCに対し、宿泊施設から逃げる際に必要最低限のものを持ち出し、少なくとも今夜は戻らないつもりだと語った。
ウスタオールさんは、充電器と歯ブラシ、お気に入りのセーターを詰めた小さなバッグを持って広場に来た。「今夜はここにいるつもりだ」と述べた。
同じく学生のゼイネプ・アキンシオールさんは、余震の脅威があるので、家族と家に帰ることはできないと感じていると語った。「建物が強そうに見えないので、戻るのは安全ではないと考えている」。
コチ大学のセルヴァ・デミラルプ教授(経済学)は、地震が発生した際に家族と高層ビルにいたとBBCに語り、「非常に怖かった」と述べた。
また、「私たちは安全で、建物に損傷はないようだ」と話した一方で、「これが前震で、本震が来るのではないか」と人々が不安を感じていると付け加えた。
イスタンブール市内では、建物に目立った損傷はほとんど見られない。しかし、当局によると、ヨーロッパ側のファティ地区にある廃墟の建物が倒壊したという。
また、エネルギーやガス供給、飲料水および下水インフラにも影響は確認されていないという。
この日は祝日のため、学校は休みだった。ユスフ・テキン教育相は、24日と25日も休校とし、グラウンドが安全な場所として提供されると述べた。
トルコでは2023年、シリア国境に近い南東部で巨大地震が2回発生。合わせて5万5000人以上が死亡した。
イスタンブールはトルコで最も人口が多く、国民の5分の1に相当する1600万人が住んでいる。イスタンブールは、北アナトリア断層線の北側20キロの地点に位置している。
(英語記事 Istanbul residents flood streets after 6.2-magnitude quake)