
パレスチナ・ガザ各地で24日、イスラエル軍の空爆があり、少なくとも50人のパレスチナ人が死亡した。ガザ保健当局と第一対応者が明らかにした。
ガザ北部ジャバリアの病院によると、じゃバリアでは24日朝、警察署にミサイルが命中し、9人が死亡した。
イスラエル国防軍(IDF)は、イスラム組織ハマスと、ハマスと連携するガザの武装組織「パレスチナ・イスラム聖戦(PIJ)」が攻撃立案に使用していたジャバリアの「指揮統制センター」を攻撃したのだと説明している。
ハマス運営の民間防衛隊はその後、ジャバリアのアード・ハラワ地区にある民家1棟が爆撃され、23人が死亡したと発表した。がれきの下には、行方不明者がいるとみられるという。
IDFはこうした報告について確認中だとした。
ガザのほかの地域では、29人が死亡したと報じられている。
民間防衛隊によると、ガザ市シェイク・ラドワン地区では民家が夜間攻撃を受け、夫妻と子ども4人の一家6人が死亡した。
武装組織「パレスチナ解放人民戦線(PFLP)」は後に、この攻撃で死亡したのはアリ・アル・サラフィティという名の男性だったと特定した。この男性はPFLPのメンバーで、自爆攻撃未遂事件で有罪判決を受け、イスラエルで13年間収監されていた元囚人だという。
パレスチナ・メディアは、ガザ中部ヌセイラト近郊で、家族が身を寄せるテントが攻撃を受け、避難民3人が死亡したと伝えた。南部ハンユニスでも、避難民のテントが攻撃され、子供2人が死亡したという。
「一人、また一人と殉教し、バラバラになって死んでいく」と、ハンユニスでの空爆できょうだいを亡くしたというラニア・アル・ジュムラ氏はAFP通信に語った。
1月半ばから発効した停戦合意が崩壊し、イスラエルが3月18日にガザへの攻撃を再開して以来、少なくとも1978人が死亡したと、ハマス運営のガザ保健省は24日朝に発表した。
ガザには59人の人質が残り、そのうち24人が生存しているとみられている。イスラエルは残りの人質を解放するよう、ハマスに軍事的圧力をかけているとしている。
イスラエルはまた、ガザへの人道援助やそのほかの物資の搬入をすべて、7週間にわたり遮断している。国連は、「人が生存するための手段をますます奪い、市民生活のあらゆる側面を損なっている」と指摘している。
国連はイスラエルに対し、占領国としてガザ住民のための食料や医療品を確保し、不可欠なサービスを確保する国際法上の義務があるとして、ガザの封鎖を直ちに解除するよう求めている。
一方でイスラエルは、国際法に沿って行動していると主張。直近の2カ月間の停戦中に2万5000台の援助トラックがガザに入ったため、援助の不足はないとしている。
24日にガザ南部を訪れたイスラエル軍参謀総長のエヤル・ザミール中将は、「我々は作戦的圧力を継続し、必要に応じてハマスへの締め付けを強化する。人質の返還に進展が見られない場合は、決定的な成果を得るまで、より激しい、重要な作戦へと活動を拡大する」と、部隊に述べた。
「ハマスにはこの戦争を始めた責任がある。残酷にもいまだに人質を拘束している。ガザ住民が悲惨な状況に置かれている責任も負っている」
IDFはその後、ジャバリアの北西に位置する2地域の住民に、即時避難するよう命じた。
ベイトハヌーンやシェイクザイードでは「テロ活動と狙撃が続いているため」、IDF部隊が「精力的に活動」していると、IDFは警告した。
国連は、ガザ人口の20%にあたる約42万人のパレスチナ人が、この5週間であらためて避難を余儀なくされたと推定している。ガザの領土の70%近くは、イスラエルの避難命令が出されているか、イスラエルが指定した「立ち入り禁止区域」に指定されているという。
IDFは避難命令について、攻撃実施を事前に警告することで、民間人の被害を軽減するために実行可能な予防措置を講じるという、国際法の義務に沿っているとしている。
しかし国連は、こうした避難命令が民間人を「救命サービスへのアクセスがほとんど、あるいはまったくない」、「縮小し続ける空間」に「強制移動」させていると警告。避難しても攻撃の標的になり続けているとした。
イスラエル軍は、2023年10月7日のハマスによる越境攻撃を受けて、ハマス壊滅作戦を始めた。ハマスによる攻撃では、イスラエルの約1200人が殺害され、251人が人質に取られた。
ガザ保健省によると、イスラエルが作戦を開始して以降、ガザで5万1350人以上が殺された。
(英語記事 Israeli strikes across Gaza kill at least 50, Palestinian officials say)