
北朝鮮が、ウクライナと戦うロシアを支援するために自軍の兵士を派遣したと、初めて認めた。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が28日、報じた。
KCNAは、北朝鮮軍の発表として、同軍が金正恩(キム・ジョンウン)総書記の命令に従い、ロシア西部クルスク州をロシア軍が「完全解放」するのを支援したと報じた。
この2日前には、ロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長が、ロシアの反攻作戦における北朝鮮軍の「英雄的行動」を称賛していた。ロシアが北朝鮮の関与を公に認めたのは初めてだった。
ゲラシモフ氏は、クルスク州をロシアが完全に掌握したと主張している。一方、ウクライナは、これを否定している。
北朝鮮によるクルスク州への派兵については、韓国と西側の情報機関が以前から、数千人規模で実施されていると指摘していた。
KCNAは28日、派兵について、北朝鮮とロシアの相互防衛条約に基づくものだとした。
また、金氏が「正義のために戦った彼らはみな英雄であり、祖国の名誉を代表する者たちだ」と述べたと伝えた。
金氏は、北朝鮮とロシアがクルスク州で「同盟と兄弟愛」を示したと述べ、「血で証明された友情」は「あらゆる方法で」両国関係の拡大に大きく寄与するだろうと付け加えたという。
クルスク州での任務が終わった後、北朝鮮兵がどうなるのかは、KCNAは触れなかった。
ロシアを支援するため北朝鮮兵が派遣されたとの報道は、金氏とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の関係が深まったあとの、昨年10月に浮上した。
西側当局者は今年1月、北朝鮮から派遣された兵士1万1000人のうち、少なくとも1000人が3カ月間で殺害されたとの見方をBBCに示した。
それらの兵士は北朝鮮のエリート部隊に所属しているとされるが、現代の戦争に対応できていないと言われている。
一方、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は、前線で北朝鮮の兵士がウクライナ兵にとって大きな問題になっていると、ウクライナの放送局TSNのニュース番組で発言した。
「彼らは人数が多い。追加で1万1000人から1万2000人の、やる気に満ちて準備がしっかりできた兵士が、攻撃行動をとっている。ソヴィエト連邦時代の戦術に基づいて行動している。人数を頼りにしている」と、シルスキー氏は述べた。
(英語記事 N Korea confirms it sent troops to fight for Russia in Ukraine war)