
閉山中の富士山に登り、道具紛失などで身動きが取れなくなった中国人留学生の男性が22日、ヘリコプターで救助された。数日後、男性は置き忘れた携帯電話を捜しに、富士山に再び入山。高山病を発症し、26日にまた救助された。
日本に住むこの男性は、閉山中の富士山に登った。滑り止めのアイゼンを紛失するなどして下山できなくなり、22日に標高3000メートル付近からヘリコプターで救助された。
この4日後、男性は富士山に残してきた携帯電話などを捜しに、再び入山。今度は高山病を発症して動けなくなり、また救助された。現在は危険な状態にはないという。
富士山の登山シーズンは、例年7月上旬から9月上旬まで。この期間外は、登山道の状況が過酷なことから、登山は控えるよう求められている。
環境省によると、富士山頂に通じる登山道は現在すべて閉鎖されている。
男性の救助を受け、静岡県警富士宮署は、「この時期の富士山は、天候が急変しやすく救助隊が直ちにたどりつけない。山小屋や医療センターも閉まっているため救助を求める先がない」とし、閉山中は登らないよう改めて勧告した。
ソーシャルメディア上では、富士登山における安全確保のガイドラインに従わなかった男性を批判する投稿がみられる。2回分の救助費用を支払わせるべきだとの声も上がっている。
美しい円すいの山容で世界的に知られる富士山は、標高3776メートル。日本で最も人気の観光名所の一つで、当局は近年、入山料を引き上げることでオーバーツーリズムに対処しようとしている。
2023年の登山シーズンには、22万人以上の登山者が訪れた。
(英語記事 Mount Fuji climber rescued twice after going back for lost phone)