2025年5月23日(金)

BBC News

2025年4月29日

射撃の準備をする兵士

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は28日、ウクライナでの戦争を一時停止させると発表した。

クレムリン(ロシア大統領府)によると、停戦期間は5月8日朝から5月11日まで。これは、第2次世界大戦の終結を記念する、ロシアの戦勝記念日と重なる。

クレムリンは声明で、プーチン氏が「人道的配慮に基づいて」停戦を宣言したと説明。「ウクライナ側もこれにならうべきだと、ロシアは考えている」とした。

また、「ウクライナ側による停戦違反があった場合、ロシア連邦軍は適切かつ効果的な対応を取る」、「ロシア側は、ウクライナ危機の根本原因を取り除くことを目的とした、前提条件なしの和平交渉と、国際的パートナーとの建設的な交流の用意があることを改めて宣言する」とした。

この発表に対し、ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、「最短でも30日間」の即時停戦を求めた。

シビハ氏は、「ロシアが本当に平和を望むのなら、直ちに停戦にすべきだ」、「なぜ5月8日まで待つのか?」とXに書き込んだ。

また、ウクライナは「永続的、持続的、完全な停戦」を支援する用意があると表明。「これが私たちが常に提案していることであり、最短でも30日間だ」とした。

停戦の仲介に努めているアメリカのホワイトハウスによると、ドナルド・トランプ大統領は、恒久的な停戦を望んでいると述べたという。

ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は、トランプ氏が「両国指導者への不満を募らせている」と説明。「彼は恒久的な停戦を望んでいる」と述べた。

また、「ウラジーミル・プーチンが今朝、一時停戦を申し出たと聞いている。(トランプ)大統領は、殺し合いを止め、流血を止めるために、まず恒久的な停戦を望んでいることを明確にしている」とした。

クレムリンは、復活祭(イースター)にかけても30時間の停戦を発表した。だが、双方はこの期間、戦闘の沈静化がみられたとしたものの、数百件の停戦違反があったと互いに非難し合った。

ウクライナではこれまで20回以上の停戦が試みられている。しかし、すべてが最終的には失敗しており、中には発効から数分で終わったものもあった。

直近の復活祭の停戦は、範囲が非常に限定的で、戦闘がわずかに減っただけだった。

アメリカは、ロシアとウクライナの和平交渉にとって、いまは「非常に重要な」ときだとしている。トランプ政権は、交渉に進展がみられなければ、仲介から手を引くとしている。

プーチン氏は、ロシアが和平に真剣だとの印象を、トランプ氏に与えることを狙っているとみられる。トランプ氏は、ロシアがウクライナへの攻撃を続けていることに、いら立ちを示している。

ロシアは2022年2月24日にウクライナへの全面侵攻を開始。現在はウクライナ領土の約20%を支配している。これには2024年に不法に併合した南部クリミア半島も含まれる。

2022年以降、双方で計数十万人が死傷したと推計されており、その大半は兵士だ。

(英語記事 Putin announces three-day Russian ceasefire in Ukraine from 8 May

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c4g7yx0jejqo


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