2025年5月23日(金)

BBC News

2025年5月1日

アメリカの商務省は4月30日、同国経済が3年ぶりにマイナス成長に転じたと発表した。これを受けてドナルド・トランプ大統領は、経済政策を実施するための時間が必要だと述べた。

速報値によると、アメリカの2025年1~3月期の国内総生産(GDP)成長率は、年率で前期比0.3%縮小。前四半期の2.4%のプラス成長から大きく落ち込んだ。

市場は前期比0.3%増と予想していたが、これも下回った。

トランプ大統領は、マイナス成長の数字は誤解を招くものであり、企業が関税導入前に輸入品を備蓄していたためだと述べた。また、8兆ドルの対内投資が約束されており、これがアメリカの製造業の力を回復させると主張した。

トランプ氏は前日29日に就任100日を迎えたばかりだった。直近の世論調査では、トランプ政権の経済運営に対する国民の不満が示されている。

ギャラップの世論調査によると、トランプ氏の就任100日後の支持率は44%だった。第2次世界大戦後の大統領で、この期間に支持率が50%を下回ったのはトランプ氏だけだ。

「バイデンの経済だ」と前政権を批判

トランプ氏は期待外れとなった経済について、民主党のジョー・バイデン前大統領を非難した。

「これはバイデンの経済だ。なぜなら、我々は1月20日に引き継いだからだ」、「我々が動き出すために少し時間を与えてほしいと思う」と、トランプ氏は述べた。

共和党のトランプ大統領は就任以降、大規模な関税政策を打ち出し、世界の貿易と市場に混乱をもたらしている。

トランプ大統領がバイデン大統領を非難すると、民主党からは嘲笑が巻き起こった。

連邦下院のハキーム・ジェフリーズ少数党院内総務は、「これはジョー・バイデンの経済ではない、ドナルド、これはあなたの経済だ」と述べた。

「これはトランプ経済であり、失敗した経済だとアメリカ国民は知っている」

トランプ氏はまた、数兆ドルの税金と支出の削減を含む税制法案の可決を議会に促したが、民主党と一部の共和党議員から反対されている。

関税の影響を軽視する発言も

トランプ氏はこの日、閣僚らと共にテレビに出演。アメリカと中国の貿易が急激に減少し、おもちゃなどの在庫不足が懸念されている状況を、大ごとではないとした。

トランプ氏は、「まあ、子どもたちは30個の人形の代わりに2個の人形を持つことになるかもしれない」、「そして、その2個の人形は通常よりも数ドル高くなるかもしれない」と発言した。

トランプ氏は、アメリカに製品を輸出するほぼすべての国に対して10%の「相互関税」を課した。これに上乗せする追加関税については90日間の停止措置を取っているが、この期間が7月に終了した後、各国が支払う税額は変わる可能性がある。

メキシコとカナダにはさらに25%の関税が課されている。世界第2位の経済大国である中国に対する関税は、全面的な貿易戦争を引き起こしている。

アメリカは現在、中国からの輸入品に最大145%の関税をかけている。中国はアメリカ製品に125%の税を課して対抗している。

トランプ政権は先に、新しい関税が既存のものに追加されれば、中国製品の一部に対する関税が245%に達する可能性があると述べている。

(英語記事 Trump tells business chiefs he needs 'little bit of time' as US economy shrinks

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cg5ql5724llo


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