
英ロンドンで1日、気温が摂氏29.3度に達し、5月としては同国観測史上最高を記録した。
英王立植物園キュー・ガーデンで観測されたこの最高気温は、1990年にスコットランドのロッシーマスで観測された、それまでの同国の5月の最高だった27.4度を上回ったと、英気象庁は発表した。
スコットランドと北アイルランドは例年より涼しかった一方、イギリスの大半の地域はこの日、この時期の平均気温をはるかに上回る暑さに見舞われた。
この暑さは、イギリス上空に高気圧がとどまり、持続的な南東の風によって暖かい空気が流れ込んだことでもたらされた。
今週初めには、サリー州ウィズリーで26.7度が観測されていたが、1日は今年一番の暑さに見舞われた。
ロンドンの気温は、ギリシャ・アテネやイタリア・ローマなど、欧州のいくつかの都市の気温も上回った。
また、エジプト・カイロ(27度)、モロッコ・マラケシュ(27度)、アメリカ・ロサンゼルス(21度)よりも暑かった。
2日は、1日のような暑さには達しないと予想されているものの、多くの場所で気温が高い状態が続くとみられる。
5日まで3連休となる今週末にかけては、平年並みの気温に戻ると予想。
イングランド南部では最高気温が20度を下回り、イングランド北部やスコットランドでは10度半ばまでしか上がらないと予想されている。
暑さの要因は
イギリスで最高気温が更新される場合、イベリア半島や北アフリカからの風が影響していることが多い。
しかし、今回はそうではない。要因は、イギリス各地を覆う大きな高気圧だ。
高気圧に覆われている場所では、上空から地上に空気が移動する下降気流が発生し、地上付近の気温を押し上げる。この現象は数日間にわたって累積的に起こる。
1日に記録的暑さをもたらした要因は、ほかにもいくつかある。
高気圧に覆われた地域で晴天が続いたことも、地上付近の気温上昇に関係している。
雨が降らず、地表が非常に乾燥すると、気温上昇は加速する。
こうした温暖化のサイクルを止めるには、強風に見舞われるか、風向きが変わるか、あるいは雲が発生して雨が降るかする必要がある。
来週月曜まで3連休となる今週末は、イギリスの大部分で乾燥した天候が続くが、風向きが変わって気温が下がることが予想されている。