2025年5月13日(火)

BBC News

2025年5月9日

インドによるドローン攻撃があったとされる場所を調べるパキスタンの治安当局者ら

インドが観光客銃撃事件の報復だとしてパキスタン側を攻撃し、両国の緊張が高まるなか、インドは8日、同国軍の基地3カ所が、パキスタンのドローン(無人機)とミサイルによる攻撃対象にされたとして同国を非難した。パキスタンは関与を否定している。

インド軍は、パキスタンと領有権を争うカシミール地方のインド支配地域のジャンムとウダムプル、インド・パンジャブ州パタンコートのそれぞれにある同軍基地を、パキスタンが攻撃しようとしたと発表。インド軍が対応したおかげで、攻撃は失敗に終わったと主張した。

ジャンムでは8日夜に爆発が報告され、一帯で停電が発生した。

パキスタンのカワジャ・アシフ国防相は、同国は攻撃に関わっていないとBBCに説明。「私たちは何もしていない」、「攻撃しておきながらそれを否定することはしない」と述べた。

インドはこれに先立ち同日、パキスタンの防空システムを攻撃し、同国が7日夜にインドの軍事目標を攻撃するのを防いだと発表した。

また、カシミール地方のインド支配地域で先月22日に起きた、武装集団による観光客銃撃事件への報復として、7日に「テロリストのインフラ」9カ所を攻撃したとした。

パキスタンは、26人が殺害された同事件への関与を強く否定している。パキスタン領内およびカシミール地方のパキスタン支配地域であった7日のミサイル攻撃については、インドによる新たな「侵略行為」だと非難した。

インドによる7日の攻撃をきっかけに、国際社会からは緊張緩和を求める声が出ている。国連や各国首脳らは、冷静さが必要だと訴えた。

両国の対立は、過去20年以上で最悪とみられている。

死傷者も増え続けている。パキスタンは、インドによる空爆と発砲のため、7日朝以降で31人が死亡、57人が負傷したとしている。

一方、インド軍も、カシミール地方におけるパキスタンの空爆による死者は16人に上ったと発表。うち3人は女性、5人は子どもだとしている。

パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は7日深夜の演説で、インドによる攻撃で人々が殺されたことに対し、報復を誓っている。また、インドの戦闘機5機をパキスタンが撃墜したとの主張を繰り返し、「相手を粉砕する対応」だったとした。

インドはこの主張についてコメントしていない。

観光客銃撃の実行グループだと特定

カシミール地方パハルガムで先月あった、武装集団による観光客銃撃事件では、インドは当初、背後にいるとするグループを名指ししなかった。

しかし7日、パキスタンを拠点とする武装集団「ラシュカール・エ・タイバ」が実行犯だとして非難した。

インドの警察は、襲撃犯のうち2人がパキスタン人だと主張している。パキスタンはこれを否定し、自分たちは事件と無関係だとしている。

(英語記事 India reports strikes on military bases, Pakistan denies any role

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cn847zzqjgpo


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