2025年6月22日(日)

BBC News

2025年5月26日

人工衛星画像では、駆逐艦は大きなブルーシートに覆われ、横倒しになっている

北朝鮮当局は25日、新型軍艦の進水式で発生した事故を受け、造船所の幹部3人を拘束した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が報じた。

事故は22日、5000トン級駆逐艦の進水式の最中に発生した。艦底の一部が押し潰され、艦体がバランスを崩したという。

北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)総書記はこの事故を「犯罪行為」と非難。現在も調査が続けられている。

KCNAによると、拘束されたのは、艦艇が建造された北部・清津(チョンジン)造船所の主任技師、建造責任者、そして管理部門の幹部の3人。

報道では、3人が「事故の責任者」とされている。

KCNAは23日、清津造船所のホン・ギルホ所長が法執行機関に呼び出されたと報じた。

人工衛星画像には、艦体が横倒しになり、大型のブルーシートで覆われている様子が確認されている。また、一部は陸上に乗り上げているように見える。

KCNAは当初、死傷者については一切言及せず、被害の深刻さを控えめに伝えていた。また、その後の報道では艦底に穴はなかったとし、初期報道と異なる見解を示した。

「右舷の船体に擦り傷があり、艦尾部分に一定量の海水が流入した」と、KCNAは伝えている。

金総書記は22日、新型駆逐艦の進水事故について、「絶対的な不注意、無責任、そして非科学的な経験主義」によって引き起こされたと非難した。

また、事故に関与した者たちの「無責任な誤り」について、6月に開催予定の党中央委員会総会で処分する方針を示した。

処分の具体的な内容は明らかにされていないが、北朝鮮をめぐっては深刻な人権侵害が国際的に指摘されている。

北朝鮮が国内の事故を公に報じるのは異例だが、前例はいくつかある。

今回の事故は、北朝鮮が、別の5000トン級駆逐艦「崔賢(チェ・ヒョン)」を新たに公開してから数週間後に発生した。

金総書記はこの駆逐艦を、北朝鮮海軍の「画期的な成果」と表現し、来年初頭の配備を予定していると述べていた。

(英語記事 North Korea makes arrests over botched ship launch

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c87jy4yyewyo


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