
パレスチナ・ガザ地区の医療関係者らによると8日、ガザ地区南部ラファの近くで、援助物資の配給センターへ向かっていたパレスチナ人が少なくとも4人、イスラエル軍の銃撃で死亡した。
イスラエル国防軍(IDF)は、部隊に向かって移動を続ける集団を兵士たちが脅威とみなし、口頭で警告した後、警告射撃を行ったと発表した。
IDFは、負傷者が出たとの報告を承知しているものの、「その数字は(中略)IDFが現在保有している情報とは一致しない」と述べた。
ガザ地区でアメリカとイスラエルが支援する「ガザ人道財団(GHF)」の物資配給センター周辺では、多数が死傷する事態が相次いでいる。
最新の事案は8日の夜明け前、ラファ近郊にある援助物資配給所の近くで起きた。 配給センターが開いた際に食料を入手しようと大勢が集まる中、パレスチナの救急隊員らは、死亡した4人を避難させたと明らかにした。
一人の女性は、夫が家族のために食料の配給を得ようと待っていたところ、頭を撃たれたと話した。
イスラエル軍は、パレスチナ人がGHFの配給拠点に出入りできるのは午前6時から午後6時の間だけで、それ以外の時間は拠点は「戦闘地域」にあるとみなすべきだと宣言している。
GHFによると、8日には3カ所の拠点で配給を実施。1カ所はガザ中心部で午前6時に、もう2カ所はラファで正午に開いたという。
イスラエルはガザ地区を3カ月にわたり封鎖した後、GHFによる物資配給を優先する形で、ガザ地区への限定的な援助再開を5月末から認めた。
GHFによる物資支給は、国連を回避することを目的として、イスラエルとアメリカが支援して開始。イスラエルは、国連を通じたこれまでの援助体制は、イスラム組織ハマスの戦闘員に物資が渡るのを阻止しなかったと非難している。
これに対して国連は、物資がハマス戦闘員に渡るのは広範囲にわたる問題ではなかったと反論。国連をはじめ複数の人道支援団体が、GHFの仕組みは機能せず、非倫理的だと非難している。
GHFの稼働開始から1週間のうちに、配給センター周辺では多くの死傷者が出る事案が相次いでいる。
複数の医療関係者や地元保健当局の報告によると、GHFが配給を開始した最初の3日間で、60人以上のパレスチナ人が銃撃により殺された。犠牲者が出たのは、イスラエル兵によるものだと、複数の目撃者が非難している。
IDFは、最初の2日間には警告射撃を行ったとしているほか、3日目には兵に向かってくるパレスチナ人容疑者の近くに発砲したと説明し。各事案について調査中だと付け加えた。
ハマスが運営する民間防衛隊は、7日にイスラエル軍の発砲によりパレスチナ人6人が殺害され、数人が負傷したと発表した。これについてもイスラエル軍は、部隊を脅かす態度で接近した容疑者に対し警告射撃を行ったと発表した。
(英語記事 Gaza health workers say four killed by Israeli gunfire near aid centre)