パレスチナ・ガザ地区に到達するのをイスラエル軍に阻止された活動団体の支援船が9日、イスラエル南部の港湾都市アシュドドに曳航(えいこう)された。
イスラエルによるガザの海上封鎖に抗議し、ガザに人道援助物資を運ぶため航行していたヨット「マドリーン号」には、スウェーデン人活動家のグレタ・トゥーンベリ氏ら12人が乗っていた。
イスラエル軍は先に、エジプト沖でマドリーン号に乗り込んだとされる。
イスラエル外務省は、マドリーン号がアシュドド港に停泊したと発表。ヨットの乗員は「健康状態を確認するための検査を受けている」と説明した。
活動団体「自由船隊連合(FFC)」によると、マドリーン号は、米や乳児用ミルクなど「象徴的」な支援物資をガザに運ぶため、1日にイタリアから出航した。イスラエル軍が9日早朝、国際水域でマドリーン号に乗り込んだという。
イスラエルは、マドリーン号を「自撮りヨット」と一蹴し、乗員をそれぞれの出身国に送還するとしている。
マドリーン号には、ブラジル、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、スウェーデン、トルコの市民が乗船している。その中には、フランスの欧州議会議員リマ・ハッサン氏や、中東の衛星テレビ局アルジャジーラのフランス人ジャーナリスト、オマル・ファイアド氏も含まれる。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は9日、マドリーン号に乗船しているフランス人活動家6人の迅速な帰国を呼びかけ、活動家たちを確実に「保護」するようイスラエルに求めた。