2025年6月19日(木)

BBC News

2025年6月11日

アメリカのマイク・ハッカビー駐イスラエル大使

パレスチナ国家をつくるため、「ムスリム(イスラム教徒)諸国」は土地の一部を提供すべきだ――。アメリカのマイク・ハッカビー駐イスラエル大使が、BBCのインタビューでこう発言した。

ハッカビー氏はBBCの番組「ニュースアワー」で、「ムスリム諸国はイスラエルが支配する土地より644倍広い土地を持っている」と主張。

「パレスチナ国家を強く望むのであれば、自分のところで受け入れるという国があってもいい」と述べた。

ハッカビー氏はまた、パレスチナ国家がつくられる場所が「イスラエルの占領地でなくてはならないと、いつ決まったのか?」と発言。

「これは2国家解決を支持するすべての人に投げかけられるべき質問だ」とした。

2国家解決とは、パレスチナとイスラエルのそれぞれの国家が隣り合って共存する案で、アメリカを含む多くの国々が支持している。

イスラエルは、2国家解決を拒んでいる。また、最終的な解決はパレスチナ人との交渉の結果でなければならず、国家樹立は前提条件ではないとしている。

一方、ハッカビー氏は米ブルームバーグのインタビューで、アメリカはもはやパレスチナ独立国家の誕生という目標を追求していないと述べた。

これらの発言について、米国務省のタミー・ブルース報道官は、ハッカビー氏が「自分の考えを示した」ものと説明。中東地域における米政策の責任者は大統領だとした。

国連で予定の会議を批判

米ニューヨークの国連本部では今月、最終的なパレスチナ国家樹立へのロードマップを示すための会議が、フランスとサウジアラビアの外交官らによって開かれる。

ハッカビー氏はBBCの番組で、この会議を「タイミングが悪く不適切」だと批判。「戦争のさなかに押し付けようとするのは欧州諸国の完全な間違い」だとし、イスラエルが「安全でなくなる」と主張した。

一方、ヨルダン川西岸にパレスチナ国家は存在し得ないというのがアメリカの立場かと問われると、「絶対にありえないとは言わないが、文化が変わらなければならない」とハッカビー氏は返答。「今は、ユダヤ人を標的にして殺しても構わない、殺せば報償を受ける、という文化がある。 それは変わる必要がある」と述べた。

ハッカビー氏はまた、ヨルダン川西岸で「パレスチナ人コミュニティーに対する暴力行為を繰り返し扇動」したとして、イスラエルの極右閣僚2人に、イギリスやオーストラリアなどの米同盟国が制裁を科したことを強く批判した。

(英語記事 Huckabee suggests Muslim countries should give up land for Palestinian state

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c3d47jgjzmmo


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