2025年7月16日(水)

BBC News

2025年6月17日

イランの首都テヘランのシャラン石油貯蔵施設で16日、黒煙が立ち上った。イランはイスラエルの攻撃を受けたとしている

イランの首都テヘランで17日未明、数回の爆発と激しい防空砲火があった。同国のメディアが報じたと、ロイター通信が伝えた。16日には、イラン国営メディアの建物をイスラエル軍が攻撃。イランはイスラエルにミサイル攻撃を予告した。両国の軍事衝突は激しい状況が続いている。

テヘランで爆発が起こる前、イスラエル軍はイランの「軍事インフラ」を標的とした攻撃を計画しているとし、テヘラン北東部の一部に避難勧告を出した。

その後まもなく、アメリカのドナルド・トランプ大統領は自らのソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、「テヘランから全員直ちに避難すべきだ」と投稿した。

これよりも前、イランの革命防衛隊(IRGC)はイスラエルに対し、16日夜から翌朝にかけてドローン(無人機)とミサイルによる攻撃を実施すると警告した。イラン国営メディアが伝えた。

イスラエル軍は16日、同国に向けてイランからミサイルが発射されたと発表。「脅威を阻止するため防衛システムが機能している」とし、警告が出た場合は保護区域に移動するよう住民に勧告した。

イスラエル当局はその後、イランのミサイルによる死傷者はなかったとし、警告を解除した。

イラン国営テレビの放送中に攻撃

テヘランでは16日、イラン国営メディアの建物が攻撃を受けた。

国営テレビでは、放送中のスタジオで激しい音が響き、構造物の破片などが司会者に降りかかる様子などが映し出された。

イラン国営メディアの記者は、イスラエルの攻撃を受け炎上する建物の映像を投稿。その中で、何人の同僚が死亡したかわからないと述べた。

国営テレビはその後、スタッフの「何人か」が負傷したと発表。トップを務めるペイマン・ジェベリ氏は放送で、血がついた紙を見せながら、国営テレビと従業員は「最後まで立ち続ける」と話した。

一方、イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、イラン国営メディアに対する攻撃を認める声明を出した。攻撃は「現地住民らの大規模な避難」の後にあったとし、イスラエルは「イランの独裁者がどこにいようと攻撃する」と付け加えた。

IDFも声明を発表し、空軍が「イラン軍が軍事目的で使用していた通信センター」を攻撃の標的にしたとした。また、イラン国営メディアの建物は「民間の活動を装って」使われており、今回の攻撃で「イラン軍の軍事能力に直接被害を与えた」とした。

イラン国営テレビの拠点がある建物は、小さな村といった様相で、数千人が働いている。イスラエルは今回の攻撃に先立ち、テヘラン第3地区の一部の地図を示し、そこからの避難を呼びかけていた。国営テレビの建物もそこに含まれていた。

トランプ氏はG7から帰国へ

トランプ米大統領は、中東情勢を理由に、16日にカナダで開幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)への参加を切り上げて帰国することになった。ホワイトハウスが発表した。

米メディアによると、トランプ氏は国家安全保障会議(NSC)の開催を指示したという。

トランプ氏は、テヘランにいる人々に避難を呼びかけたトゥルースソーシャルへの投稿で、イランはアメリカとの核協議でトランプ政権の提案に同意すべきだったとも主張。「簡単に言えば、イランは核兵器を持てない」、「何度もそう言った!」と書いていた。

トランプ氏がテヘラン住民らに避難を勧告したことをめぐっては、イランに対して直ちに交渉テーブルにつくようメッセージを送るものだったと、ホワイトハウス関係者が米CNNに話した。

双方で死者が増加

イラン保健省は、イスラエルの攻撃が始まった13日以降のイラン国内の死者は、少なくとも224人に上っているとしている。

イスラエルの当局やメディアによると、同国の死者は24人に上っている。

(英語記事 Live Reporting:Explosions heard in Tehran as Trump tells 'everyone' to evacuate Iranian capital immediately

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cly8n14e14lo


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