2025年7月16日(水)

BBC News

2025年6月17日

ウクライナ兵の遺体を乗せた冷蔵トラックへ向かう赤十字社の職員(16日)

ウクライナとロシアは16日、トルコで先週開かれた両国の直接和平協議での合意に基づく、兵士の遺体返還を終了した。ウクライナ側は、遺体がウクライナ兵のものかどうか確認を進めている。

直接和平協議では、双方はそれぞれ6000人の遺体の返還と、病気や重傷、25歳未満の捕虜の交換で合意した。

ウクライナ政府によると、16日には兵士1245人の遺体がロシアから返還された。今回の合意でウクライナが引き取った遺体はあわせて6057人に上る。ウクライナは現在、すべての遺体がウクライナ兵のものかどうか確認中だとしている。

一方でロシアは、計6060人の遺体をウクライナに引き渡したと主張。ウクライナからは、計78人の遺体が返還されたとした。

ウクライナのイホル・クリメンコ内相は、ロシアが「意図的に身元確認プロセスを複雑にしている」と非難した。「遺体はひどく切断された状態で返還された。(同じ人の)遺体の複数の部位が異なる袋に入っている」。

直近の遺体の引き渡しは、16日に非公開の場所で行われた。白い袋に入った遺体は、冷蔵トラックで運び込まれた。

赤十字社の職員が、引き渡しを監視した。

遺体返還について調整するウクライナ政府機関は声明で、「さらに1245人の遺体がウクライナに返還された」と発表した。

同機関によると、身元確認プロセスと「必要なすべての検査」を、ウクライナの法執行当局の専門家が行う。

こうした中、ロシア国防省は声明で、ウクライナ兵1248人の遺体をウクライナに引き渡したと主張した。

ウクライナとロシアが発表した人数が一致しないことについて、ウクライナのクリメンコ内相は、以前の返還時にウクライナが「引き取ったウクライナ兵の遺体の中に、ロシア兵の遺体がまざっていた」と指摘した。

ロシア国防省は声明で、16日にロシア兵51人の遺体を引き取ったと発表。これまでに返還された遺体は計78人だとした。

同省は、さらに2239人のウクライナ兵の遺体を返還する用意があるとも付け加えた。

ロシアは近ごろ、掌握する地域を拡大しており、戦死した自国の兵士の多くを収容できているとみられる。そのため、双方が引き渡した遺体の数に差が生じている可能性がある。

両国間の信頼は著しく低下している。それは、死者をめぐっても同じだ。

赤十字社は、双方から引き渡された遺体の数を明らかにしていない。

「詳細を確認し、直接協議し、(引き渡しを)いつどこで行うのかを決定し、どの遺体を(返還)プロセスの対象とするかを決定するのは、両国次第だ」と、赤十字国際委員会(ICRC)のパット・グリフィス報道官はBBCに語った。

(英語記事 Russia and Ukraine fulfil deal to repatriate dead soldiers

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/ckg516800pxo


新着記事

»もっと見る