ロシア軍は17日未明にかけ、ウクライナの首都キーウに対して大規模なミサイルおよびドローン(無人機)攻撃を実施した。ウクライナ当局は、少なくとも10人が死亡、100人以上が負傷したとした。
ウクライナ当局によると、市内の集合住宅にドローンが直撃し、数十戸の住宅が破壊された。イーホル・クリメンコ内相は、今回の攻撃でウクライナ全土に440機のドローンと32発のミサイルが発射されたと述べた。
南部の港湾都市オデーサでも2人の死亡が確認されている。
この夜の攻撃は、ロシアによる全面侵攻開始以降、キーウに対するものとしては最大規模の一つとみられている。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は「最も恐ろしい攻撃の一つだ」と述べた。
ロシア国防省は、ウクライナの軍需産業施設を標的とした攻撃を実施し、すべての目標を破壊したと発表した。
キーウへの攻撃は9時間以上続き、住民は16日夜から翌朝まで、地下シェルターに避難を余儀なくされた。
ロシアはここ数週間、ウクライナの都市に対する空爆を一層強化している。大量のドローンやデコイ(おとり)を同時に投入することで、ウクライナの防空網を圧倒しようとする戦術を取っている。
一方、ウクライナも独自の攻撃を展開しており、交戦中の双方による直接交渉では、停戦などの大きな進展は見られていない。
ロシアは、ウクライナ東部の占領地ドネツク州の一地区に対してウクライナ軍がミサイル攻撃を行ったと非難している。ロシアが任命した当局者は、少なくとも10人が負傷したと述べた。
また、ロシアの国営通信社は、夜間にウクライナのドローン147機がロシア国内の9地域で撃墜されたと報じた。