先週発生したエア・インディア機墜落事故で唯一の生存者となったイギリス国籍の男性が18 日、インド西部で行われた兄弟の葬儀に参列し、棺(ひつぎ)を運んだ。
ヴィシュワシュクマル・ラメシュ氏の兄弟のアジャイ氏も同じ墜落機に搭乗し、死亡した。
映像では、見るからに憔悴(しょうすい)しているヴィシュワシュクマル氏が、腕と顔に白い包帯を巻いた姿で、インド西部ディウの火葬場で、アジャイ氏の棺の担ぎ手を務めている。
ヴィシュワシュクマル氏は、事故後の5日間のほとんどを病院で過ごしていたという。
事故機は、インド西部アーメダバード発ロンドン行きのエア・インディアのボーイング「787-8型ドリームライナー」。現地時間6月12日午後1時38分に離陸した直後に墜落し、バイラムジー・ジージーボイ医科大学および市民病院の医師らの居住施設などに激突した。
この墜落事故では乗客乗員、そして地上にいた人々の、少なくとも270人が死亡したとされている。
ヴィシュワシュクマル氏は、機内の座席「11A」に着席していた。アジャイ氏は、数席離れた場所に座っていたとされる。
ヴィシュワシュクマル氏がどのようにして生還したのかは、現時点では明らかになっていない。現場に最初に駆けつけた救助関係者は、ヴィシュワシュクマル氏が炎上する機体に戻って、アジャイ氏を探そうとしたとBBCに語った。
事故原因もまだ判明していない。関係当局は、機体から回収された「ブラックボックス」(コックピット音声記録装置と飛行データ記録装置)を解析し、原因の究明に努めている。