
昨年5月、沖縄県の米軍基地に所属する海兵隊員が、沖縄本島で女性に性的暴行を加えようとしてけがをさせた罪に問われた裁判で、那覇地方裁判所は24日、懲役7年の実刑判決を言い渡した。
判決によると、米オハイオ州出身の、米海兵隊の上等兵ジャメル・クレイトン被告(22)は昨年5月、沖縄本土で20代の女性に性的暴行をしようとして背後から首を絞めるなどの暴行を加えた。
女性は両目に約2週間のけがをしたと、日本メディアは報じた。
裁判で検察は、クレイトン被告に対し、懲役10年を求刑していたと、米軍機関紙「スターズ・アンド・ストライプス」は報じた。
クレイトン被告はすべての罪状について否認していた。被告の弁護団は、今月上旬の公判で、女性の証言に矛盾があるなどと主張していた。
しかし、那覇地裁の小畑和彦裁判長は24日、「女性は実際に体験していないと語りえないような具体性、迫真性をもって事実関係を証言していて、高い信頼性が認められる」と指摘した。
そのうえで裁判長は、女性が1~2分間首を絞められたことについて、「生命の危機が生じかねないほど危険で、かなり悪質な犯行」と指摘。懲役7年を言い渡した。国内メディアや「スターズ・アンド・ストライプス」が報じた。
この事件は、沖縄で続発している駐留米軍関係者による事件の一つ。日本国内に駐留する約5万4000人の米兵のうち、半数以上が沖縄の基地に所属している。
米軍関係者属による性的暴行などの事件は、地元住民の怒りと抗議を引き起こしてきた。最も大規模な抗議に発展したのは、30年前の1995年に12歳の少女が沖縄に駐留する米兵にレイプされた事件だった。当時、数万人が街頭で抗議した。
昨年12月には、2023年12月に少女を自宅に連れ込み、同意なく性的行為をしたとして、不同意性交とわいせつ目的誘拐の罪に問われた米空軍の兵長ブレノン・ワシントン被告に、懲役5年の実刑判決が言い渡された。
この空軍兵が那覇地検に起訴されたのは昨年3月だったが、同年6月までこの事実は沖縄県に伝えられていなかった。
沖縄県の玉城デニー知事は当時、「県民に強い不安を与えるだけでなく、女性の尊厳を踏みにじるものだ。強い憤りを禁じ得ない」と述べた。報道を受けて問い合わせるまで、外務省が起訴について県に連絡しなかったことについては、「信頼関係において著しく不信を招くものでしかない」と非難した。
沖縄の米軍基地をめぐる地元住民の反発は、こうした犯罪だけでなく、航空機の騒音や環境汚染も理由になっている。
過去には、宜野湾市にある普天間基地を、人口の少ない名護市辺野古へ移転する案が検討されたが、多くの地元住民は基地の移転ではなく撤去を訴えた。
しかし複数の専門家は、日本とアメリカの軍事同盟はあまりに強固で、基地撤去は実現しないだろうとみている。また、中国が日本の尖閣諸島とその周辺海域の領有権を主張し、北朝鮮が核・ミサイル開発を進めるなど、さまざまな問題に直面している日本にはアメリカが必要だとしている。
(英語記事 US marine jailed for seven years for sexual assault in Japan)