2025年7月13日(日)

BBC News

2025年7月2日

パレスチナ・ガザ市で破壊された建物と住民

アメリカのドナルド・トランプ大統領は1日、パレスチナ・ガザ地区での60日間の停戦を最終決定するための「必要な条件」に、イスラエルが合意したと説明した。

トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、停戦中に「戦争を終わらせるためにすべての当事者と協力する」と投稿。

「平和実現のために懸命に努力してきたカタールとエジプトが、この最終案を届けてくれる。(イスラム組織の)ハマスがこの取引に応じることを願っている。状況はよくならず、悪くなるだけだからだ」とした。

イスラエルがガザで継続中の軍事作戦は、ハマスが2023年10月7日にイスラエルを攻撃し、住民ら約1200人を殺害したのを受けて始まった。ハマスが運営するガザ保健当局によると、ガザでの死者は少なくとも5万6647人に上っている。

ハマスが停戦の条件を受け入れるかは明確ではない。

トランプ氏は来週、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談する予定。「とても強固な」姿勢で臨むと、トランプ氏は表明している。

トランプ氏は1日、ネタニヤフ氏がガザでの敵対行動を終わらることを望んでいるとの認識を示し、「彼は望んでいる。彼は間違いなく望んでいる。来週には合意できると思う」とした。

イスラエルのロン・デルメル戦略担当相は同日、米ワシントンで、アメリカのスティーヴ・ウィトコフ中東担当特使、マルコ・ルビオ国務長官、J・D・ヴァンス副大統領と会談する予定。

ハマスの幹部は先週、停戦と人質解放の合意に向けた動きを仲介者らが活発化させているが、イスラエルとの交渉は依然として停滞しているとBBCに話した。

イスラエルは、ハマスが完全に解体されて初めて、紛争は終結するとしている。ハマスは前々から、恒久的な停戦と、ガザからのイスラエル軍の完全撤退を求めている。

ガザにはイスラエル人の人質がまだ50人ほどいる。うち少なくとも20人は生存しているとされる。

イスラエルは、ガザ北部で軍事行動を強化させるとし、住民らに避難を命じている。医療関係者や目撃者らによると、北部ガザ市の海沿いのカフェで6月30日、イスラエルによる空爆があり、少なくとも20人のパレスチナ人が殺害された。

ガザでは、アメリカとイスラエルが支援するガザ人道財団(GHF)が運営する支援物資配給所付近で、民間人が「危害を加えられた」との報告が相次いでいる。イスラエル軍は今週、これについて調べているとした。

170を超える慈善団体やNGOが、物議をかもしているGHFの活動停止を求めている。オックスファムやセーブ・ザ・チルドレンなどの団体は、支援物資を入手しようとするパレスチナ人に対し、イスラエル軍が「日常的に」発砲しているとしている。

イスラエルはこうした非難は当たらないとし、支援物資の分配にハマスが干渉するのを防ぐため、GHFは必要だと主張している。

ガザでの直近の停戦合意は、1月19日に始まったが、イスラエルが3月に新たな攻撃を開始して崩壊した。イスラエル軍はこの軍事行動を、「ハマスがテロ攻撃を実行し、戦力を増強し、再武装する準備ができていることに基づく(中略)先制攻撃」と説明した。

当時の停戦合意では、三つの段階が設定されていたが、最初の段階から先に進めなかった。第2段階には、恒久的な停戦の確立や、イスラエルで収監されているパレスチナ人の釈放とガザにいる人質の返還、イスラエル軍のガザからの完全撤退が含まれていた。

(英語記事 Israel has agreed to conditions for 60-day Gaza ceasefire, Trump says

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cn4137eenz8o


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