2025年7月13日(日)

BBC News

2025年7月4日

ウラジオストクからの映像では、ミハイル・グドコフ少将追悼台に花を手向ける弔問客の姿があった

ロシア軍は3日、ロシア海軍の副司令官がウクライナ国境付近で死亡したと明らかにした。

ロシア国防省によると、ウラジーミル・プーチン大統領が今年3月に海軍副司令官に任命したミハイル・グドコフ少将が、西部クルスク州で「戦闘任務」に従事中に死亡した。ウクライナ・スーミ州と国境を接するこの地域での作戦の詳細について、国防省は明らかにしていない。

ウクライナ軍は昨年夏、クルスク州に奇襲攻撃を行ったが、その後ほとんどの部隊が撤退したとされている。一方、ウクライナ政府は今年6月の時点で、同州の一部地域を依然として掌握していると主張している。

ロシアが2022年2月にウクライナ全面侵攻を開始して以降、ロシア軍は高官を複数失っている。その中でもグドコフ少将は、特に高い地位にあった。

ロシア極東・沿海地方のオレグ・コジェミャコ知事によると、グドコフ少将が死亡した事案で他に10人が死亡したという。

コジェミャコ知事はメッセージアプリ「テレグラム」への投稿で、グドコフ少将について「任務遂行中」に命を落とした忠実な将校だったと述べた。

ロシア軍とウクライナ軍のそれぞれに近いテレグラム・チャンネルが伝える未確認情報によると、ウクライナ軍のミサイル攻撃でロシア側に死者が出た。この攻撃は、国境から約30キロ離れたコレネヴォ近郊にあるロシア軍の司令拠点を標的にしたという。

ウクライナ政府は、ロシア領内の標的攻撃を公式に認めない従来の方針のまま、この攻撃についても公式なコメントを出していない。

グドコフ少将は以前、ロシア太平洋艦隊に所属する第155独立親衛海軍歩兵旅団の指揮官を務めていた。同部隊はウクライナ東部での激しい戦闘に加わり、その後クルスク州でも作戦に参加していた。

ロシア太平洋艦隊が本拠地とする極東ウラジオストクで撮影された映像には、グドコフ少将を追悼する仮設の献花台に花を捧げる市民の様子が映っていた。グドコフ少将は2023年末に、ロシア連邦英雄の金星勲章を授与されており、2024年2月には、ロシア大統領府(クレムリン)でプーチン大統領から直接、勲章を受け取る様子が撮影されている。

グドコフ少将の死への関与について、ウクライナ政府は公式にコメントしていない。ただし、ウクライナの治安当局筋は過去に、今回と同様の特定の要人攻撃については、関与をBBCなど複数メディアに認めていた。これには、2024年12月にロシアのイーゴリ・キリロフ中将が殺害された事件などが含まれる。

今年4月には、参謀次長だったヤロスラフ・モスカリク中将がモスクワで発生した自動車爆弾によって死亡した。この事件についても、クレムリンはウクライナによるものだとして、ドミトリー・ペスコフ報道官は当時、「ウクライナは我が国におけるテロ活動への関与を続けている」と非難した。

ロシアがウクライナ全面侵攻を開始して以降、双方の高官を狙った暗殺未遂事件も複数起きている。

2024年にはウクライナ保安庁(SBU)が、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領や他の高官を標的としたロシアによる暗殺計画を阻止したと発表している。

ゼレンスキー大統領は戦争開始当初、自分が「ロシアにとっての第一の標的」だと述べていた。

ロシアの攻撃で4人死亡

一方、ウクライナ南部の都市オデーサでは、3日に発生したミサイル攻撃で2人が死亡、6人が負傷したと地元当局が発表した。

また、同日には中部の都市ポルタヴァでも軍の徴兵センターが攻撃を受け、2人が死亡、約50人が負傷したと当局が明らかにしている。

(英語記事 Deputy Russian Navy chief killed in strike near Ukraine border

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/c784n07p130o


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