アメリカ連邦議会は3日、ドナルド・トランプ大統領が推進する大規模な税制・歳出法案「一つの大きくて美しい法案」を可決した。与党・共和党内での攻防の末、トランプ氏は大統領選の中で掲げた主要公約実現のため、勝利を獲得した。
連邦議会下院(定数435)は長時間の審議を経て3日午後、賛成218、反対214の僅差で法案を可決した。上院(定数100)は2日に、上院議長を兼ねるJ・D・ヴァンス副大統領が投じた1票差で可決していた。
トランプ氏は、共和党が両院で多数を占める議会に対し、7月4日までに自分が署名できる形の法案を可決して届けるよう期限を設けていた。7月4日はアメリカの独立記念日。
法案の可決を受けてトランプ氏は3日夜、記者団に対し「この法案はこの国をロケットのように変身させる」と述べ、「これはこの国にとって素晴らしい法案になる」と歓迎した。トランプ氏は米東部時間4日午後5時に、法案に署名し、成立させる予定。
議会予算局(CBO)は、この法案によって今後10年間で連邦政府の財政赤字が3兆3000億ドル(約477兆円)増加し、数百万人が医療保険を失う可能性があると試算しているが、ホワイトハウスはこれに異議を唱えている。
野党・民主党は、この法案が何百万人もの国民から医療と食事補助を取り上げる代わりに、富裕層の税負担を減らすものだと批判している。
BBCのアンソニー・ザーカー北米特派員が解説する。