インド洋の島国モルディヴは2日、2007年1月1日以降に生まれた若者の喫煙を禁止した。これによりモルディヴは世界で唯一、世代別のたばこ禁止措置を全国的に実施している国となった。
モルディヴの保健省は2日、国内で若年世代がたばこを使用、購入、販売することが違法となると発表した。
同省は、「この禁止措置は、若年層をたばこの害から守るという政府の強い姿勢を反映するものだ」と述べた。
同国たばこ規制委員会のアフメド・アファール副委員長は、BBCワールドサービスの番組「ニューズアワー」に対し、「昨年の電子たばこの全面禁止は、『たばこなしの市民』という世代を目指すうえで、良い一歩だった」と語った。
新たな禁止措置は「すべての形態のたばこに適用され、小売業者は販売前に年齢確認を行う義務がある」。保健省は、この措置は世界保健機関(WHO)の「たたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に基づく義務に沿ったものだとしている。
WHOによると、この条約は「世界的な問題であるたばこ流行に対する世界的な対応を提供する」とされている。
前出のアファール氏は、モルディヴでは電子たばこの取り締まりが重要な第一歩だったと述べた。「こうした新しくスタイリッシュな機器は、若年層に依存性のある行動を促すために業界が用いる戦術であって、若者の健康にとって紛れもなく有害だ」と、アファール氏は語った。
モルディヴは昨年、年齢に関係なく、電子たばこおよびベイプ製品の輸入、販売、所持、使用、配布を違法とした。
モルディヴを訪れる観光客もこの法律を順守する必要があるが、アファール氏は、喫煙禁止措置が観光業に悪影響を及ぼすことはないと主張している。
「人は、ここでたばこが吸えるからモルディヴに来るのではない。ビーチのために来る。海のために来る。太陽のために来る。そして新鮮な空気のために来る」と、アファール氏は付け加えた。
アファール氏は観光統計を引用しながら、新たな規制にもかかわらず観光客のキャンセルは出ていないし、過去1年間で到着者数は増加していると主張した。来年は200万人以上の観光客を見込んでいるという。
たばこ規制に関しては、ニュージーランドでも2022年に、2009年以降に生まれた人への紙巻きたばこの販売を禁止する法案が可決されたが、政権交代のため撤回された。
ニュージーランドでのこの撤回は、多くの保健専門家や、喫煙率が特に高い先住民マオリの人々にとって打撃となったと受け止められている。
イギリスでも2024年、当時の保守党政権のリシ・スーナク首相が、2009年以降に生まれた若年層による喫煙を禁止する法律の導入を目指していた。労働党政権が提出した新法案は、すでに下院を通過しており、現在は上院の委員会で審議されている。これは、法律制定の最終段階にあたる「国王裁可」を得るための最終段階に近づいていることを意味する。
