2024年5月5日(日)

BBC News

2024年4月24日

米連邦上院は23日、動画投稿アプリ「TikTok」の配信を同国内で禁止できる法案を79対18の賛成多数で可決した。中国の親会社バイトダンスに対し、アメリカでの事業を9カ月以内に売却するよう義務づけている。

この法案は、ウクライナやイスラエル、台湾を含むインド太平洋地域への支援がまとめられた外交政策パッケージの一部

アメリカ政府は、何百万人もの国民のデータが中国政府の手に渡ることを懸念し、TikTokを北京に拠点を置くバイトダンスから切り離そうとしている。

法案は今後、ジョー・バイデン大統領が署名することで正式な法律となる。

バイトダンスはBBCの取材に対し、この措置について早急に反応することはないと述べた。バイトダンスは過去に、TikTokの強制売却へのあらゆる試みに反対すると述べている。

バイトダンスが強制的な事業売却を完了させるには中国当局の承認が必要だが、中国政府はこれを拒否すると断言している。アナリストらは、一連の手続きには数年はかかるとみている。

TikTokの広報担当は先に、禁止法案は「1億7000万人のアメリカ人の言論の自由を踏みにじり、700万社のビジネスに壊滅的打撃を与え、アメリカ経済に年間240億ドル(約3兆117億円)貢献しているプラットフォームを閉鎖することになる」と非難した。

TikTok側は、バイトダンスは「中国あるいはそのほかの国のエージェント(代理人)ではない」としている。バイトダンスは、同社株式の60%を多くの世界的投資会社が所有していることを挙げ、同社は中国企業ではないと主張している。

TikTokの周受資最高経営責任者(CEO)は3月、同プラットフォームを保護するための「法的権利」の行使を含め、できることはすべてやり続けるつもりだと発言している。

周氏はこの1年足らずの間に2度、米議会に召喚されており、中国当局とはTikTokも同氏個人もたいしたつながりはないと繰り返し主張している。

TikTokは大規模なロビー活動を含め、アメリカでの禁止に反対するサポートを集める努力をしていた。ユーザーやクリエイターにも、法案への反対を表明するよう呼びかけていた。

英リッチモンド大学カール・トバイアス教授(法学)はBBCの取材に対し、法廷闘争は長引くことが予想され、「2年ほどかかるだろう」と述べた。

また、9カ月の期間内にバイトダンスの株式の買い手が見つからなければ、アメリカでのTikTokに対する措置がさらに遅れる可能性があると述べた。

(英語記事 US Senate passes bill that could see TikTok banned

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/crgy0y38z76o


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