書籍詳細

地球人口100億の世紀
大塚柳太郎、鬼頭宏 著

目次


人口問題という言葉は私たちに負のイメージを与えている。そして、この言葉はしばしば食糧危機とか貧困という言葉と結びついて語られている。
おおかたの予測によれば、地球人口は21世紀後半には100億の大台に達するのは避けられそうもない。この増加が、途上国で起きることもまちがいない。そのうえ、21世紀に途上国の人びとの生活水準を少しでも向上させようとすれば、私たちはきわめて難しい問題に直面していることになる。

この問題を解決する処方箋づくりは簡単ではないであろう。しかし、そのために不可欠な、地球人口がどのような経緯をたどって膨張してきたのかさえ、十分に理解されているとはいいがたい。人口増加率は、移住がない条件ならば出生率と死亡率によって決定される。こういうと話は単純そうにみえるが、人類の歴史のなかで出生率と死亡率は大きく変化してきたし、地域や集団による違いもきわめて大きい。関連する要因には生物学的なものも社会文化的なものも含まれるし、近年になれば国や国際機関の政策も強く関与している。それ以上に重要になりつつあるのは、出生率を左右する個人あるいは夫婦の意思決定であろう。

人口問題を分析する際に最も基本となるのは人口学の手法である。狭義の人口学は形式人口学とも呼ばれ、出生率や死亡率をはじめとする人口動態の指標を数量的に解析するものである。一方、広義の人口学と呼ばれるものは、経済学、社会学、地理学、人類学、心理学、医学、生物学などと関連が深く、様々な視点から人口動態を意味づけることに主眼がおかれている。本書は広義の人口学と重なる部分があるものの、一般の人口研究の範囲を逸脱した部分も多い。「地球学」というコンテクストのなかで、人口のもつ意義を浮かび上がらせようとしたからである。(まえがきより)

<書籍データ>
◇B6判並製、本文248頁
◇定価:本体1,200円+税
◇1999年12月22日発行

<著者プロフィール>
大塚柳太郎
(おおつか・りゅうたろう)
東京大学大学院医学系研究科教授。1976年東京大学理学部生物学科人類学課程卒業。東京大学医学部助手、講師、助教授を経て現職。フィールドワークをもとに、ヒトの適応機構を個体群生態学の視点から研究する。共編著に『熱帯林の世界』(全7巻・東京大学出版会)、『生態人類学を学ぶ人のために』(世界思想社)、編著に『地球に生きる・3 資源への文化適応』(雄山閣出版)、『モンゴロイドの地球・2 南太平洋との出会い』(東京大学出版会)などがある。 1991年大同生命地域研究賞奨励賞受賞。

鬼頭宏
(きとう・ひろし)
上智大学経済学部経済学科教授。慶應義塾大学経済学部卒業。上智大学経済学部助教授を経て、1989年より現職。日本経済史、歴史人口学を専攻。人口波動と環境変動、文明転換の相関関係に注目し、の相関関係を研究、そのひとつのモデルとして江戸期の社会、生活史を研究。主な著書に『日本二千年の人口. 史』(PHP研究所)、共著に『地球と文明の画期』(講座・文明と環境 第2巻)などがある。

地球人口100億の世紀

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