ヒトはなぜ病気になるのか

長谷川 眞理子
ヒトはなぜ病気になるのか
ヒトはなぜ病気になるのか
長谷川 眞理子

病いにもワケがある。進化生物学から考えるヒトと病気の関係

定価:1,540円(税込み)
B6判 並製・206頁
発売日:2007年 5月22日
ISBN:978-4863100008
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<好評4刷>(2010年2月)

人体というこの「精密機械」はどのようにしてできたのでしょうか?

地球が誕生したのが四五億年前。そして四〇億年前に地球上で生命が生じました。そして進化により、最初に出現した生物からさまざまな種類が分化していきます。

ヒトは、およそ二〇万年前に出現しました。現在の私たちのからだのすべては、過去から連綿と続いてきた進化の産物です。ある日突然、なんらかの完璧な設計図をもとに作られた機械ではありません。なぜ指が五本あるのか、なぜ直立二足歩行するのかも、それ以前の過去のいきさつからそうなっているのです。

また、生物は環境の中で生きており、その環境にはさまざまな他の生物がいます。それらの他の生物との関係には、食う・食われるの関係、互いに依存する共生関係など、さまざまなものがあります。その中の一つが、寄生者と宿主の関係で、細菌やウィルスが原因で起こる感染症は、このような寄生者が私たちに取り付いてくることで起こります。

椎間板ヘルニアはヒトが直立二足歩行を始めたのが原因で、いわゆる五十肩はヒトが樹上生活を辞めて地上で生活するようになったのが原因です。

こういう風に見てみると、病気とは、あるべき設計図からずれた状態、あり得べからざる状態なのではなく、進化の過程でこの体が作られてきたいきさつに伴う、何らかの自然現象なのです。では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか? 

進化生物学の目で、人間のからだの仕組みや病気を見ると幾つもの新たな発見があります。それをやさしく、わかりやすく解説したのが本書です。

著者プロフィール
長谷川 眞理子 (はせがわ まりこ)

1976年東京大学理学部生物学科卒業。83年同大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。早稲田大学政治経済学部教授を経て、総合研究大学院大学教授。進化生物学専攻。著書に『クジャクの雄はなぜ美しい?』(紀伊國屋書店)、『進化生物学への道』(岩波書店)、『ダーウィンの足跡を訪ねて』(集英社)、訳書に『人間はどこまでチンパンジーか』(新曜社)他数。

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