書籍詳細

超大国アメリカの素顔
久保文明 編著

目次
立ち読み


アメリカについては、十分すぎるほどの情報が日本に入ってきます。政治や通商の動向、軍事政策、ポップカルチャー――。洪水のような情報量は、依然としてアメリカが、日本にとって重要な隣国であることを裏付けています。実際に、われわれの生活のあらゆるところでアメリカ発の考え方が蔓延しているといって過言ではありません。

しかし、メディアを通してみるアメリカの姿には、その実像との間に大きな乖離があります。一見超大国と見えるアメリカも、多くの不安を抱えているのです。
たとえば近年、アメリカではゲーティッド・コミュニティと呼ばれる街が多数形成されるようになりました。ゲーティッド・コミュニティとは、同じような階層の人々が集まって郊外に街をつくり、セキュリティのためにその周囲をフェンスとゲートで覆った街のことです。いたるところで頻発する事件が、国民の不安をあおり、このような街を形成するに至りました。

また、軍事強国であるアメリカは、九・一一のテロ以降、着々と対外的軍事戦略を強めています世界各地に米軍基地を置き、在外米軍部隊の配備を進めています。また、公には認めてはいないものの、宇宙において情報ネットワークを構築し、偵察の準備を進めていると言われています。
一方で、アメリカ国民は意外なほど熱心なキリスト教信者です。神の存在を疑わず、毎週のミサは欠かさない――そのような国民が3割を占めているのです。アメリカは、宗教が社会システムの一部として機能し、政治動向に大きく作用している社会と言えるでしょう。

こうして見ただけでも、われわれの知る情報とは大きく異なるアメリカが実在することがわかると思います。本書では、政治、軍事、宗教、医療など、さまざまな事象の日米差を比較することで、日本から見れば特異にも映るアメリカの有りようを考えます。

<書籍データ>
◇B6判 並製・247頁
◇定価:本体1,400円+税
◇2007年7月25日発売

<著者プロフィール>
久保文明(くぼ・ふみあき)
東京大学法学部教授。 1956年生まれ。東京大学法学部卒業。法学博士(東京大学)。東京大学助手、筑波大学助教授、コーネル大学ジョンズホプキンズ大学客員研究員、慶應義塾大学教授等を経て、現職。専門はアメリカ政治。著書に『ニューディールとアメリカ民主政―農業政策をめぐる政治過程』『現代アメリカ政治と公共利益―環境保護をめぐる政治過程』(ともに東京大学出版会)、編著に『アメリカの政治』(弘文堂)、『G.W.ブッシュ政権とアメリカの保守勢力―共和党の分析』『米国民主党―2008年政権奪回をめざして』(ともに日本国際問題研究所)、共著に『アメリカ政治』(有斐閣)など。

江畑謙介(えばた・けんすけ)
拓殖大学海外事情研究所客員教授、軍事評論家。1949年生まれ。上智大学大学院理工学研究科博士課程修了。ストックホルム国際平和研究所客員研究員、内閣官房高度情報通信社会推進本部「情報セキュリティ専門調査会」委員、経済産業省産業構造審議会安全保障貿易管理小委員会委員、防衛省「防衛調達審議会」委員等公職多数。著書に『安全保障とは何か』(平凡社新書)、『米軍再編』(ビジネス社)、『情報と戦争』(NTT出版)、『情報と国家』(講談社現代新書)、『情報テロ―サイバースペースという戦場』 (日経BP社)など。

森孝一(もり・こういち)
同志社大学神学部教授、同大学一神教学際研究センター長。1946年生まれ。同志社大学大学院神学研究科修士課程、バークレー神学大学院連合博士課程修了。専門はアメリカ宗教史。
著書に『宗教からよむ「アメリカ」』(講談社)、『「ジョージ・ブッシュ」のアタマの中身―アメリカ「超保守派」の世界観』(講談社文庫)、編著に『アメリカと宗教』(日本国際問題研究所)、『EUとイスラームの宗教伝統は共存できるか―「ムハンマドの風刺画事件」の本質』(明石書店)など。

天野拓(あまの・たく)
慶應義塾大学法学部非常勤講師。1971年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。専門は現代アメリカ政治、医療政策。著書に『現代アメリカの医療政策と専門家集団』(慶応義塾大学出版会)、論文に「現代アメリカにおけるクローン研究規制をめぐる政治過程」、「クリントン政権の国民皆医療保険改革をめぐる政治過程」(いずれも『法学政治学論究』)、「現代アメリカの無保険者問題と医療保険改革」(『生命倫理』)など。

小林慶一郎(こばやし・けいいちろう)
経済産業研究所上席研究員。1966年生まれ。東京大学大学院修士課程修了(工学修士)、シカゴ大学大学院博士課程修了(経済学Ph.D.)。通商産業省を経て、現職。専門はマクロ経済学。著書に『日本経済の罠―なぜ日本は長期低迷を抜け出せないのか』(共著、日本経済新聞社、日経経済図書文化賞、大佛次郎論壇賞奨励賞受賞)、『逃避の代償―物価下落と経済危機の解明』(日本経済新聞社)、『経済ニュースの読み方』(朝日新聞社)など。

渡辺靖(わたなべ・やすし)
慶應義塾大学環境情報学部教授。1967年生まれ。ハーバード大学大学院博士課程修了Ph.D.。ケンブリッジ大学・オクスフォード大学客員研究員を経て、現職。専門は文化人類学、アメリカ研究。著書『アフター・アメリカ―ボストニアンの軌跡と<文化の政治学>』(慶応義塾大学出版会)でサントリー学芸賞(社会・風俗部門)、アメリカ学会清水博賞受賞。

超大国アメリカの素顔

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