本書は堀口大學の高弟でもあった著者の自伝であり、愛書狂としての書物随筆であり、古書を介した交遊録でもある。
中学生で堀口大學の高弟となり、日夏耿之介門下の一員となった早熟の詩人は、当時から古本屋に入り浸るビブリオマニアでもあった。「日本古書通信」の連載をまとめた本書は、書物に魅入られた著者の自伝であり、書物随筆であり、古書を介した交遊録でもある。 登場するのは、竹久夢二、斎藤昌三、春山行夫、正岡容、平井功、徳川夢声、小島政二郎、岡崎清一郎、城左門、と多士済々。
詩人、随筆家。1905年東京生まれ。暁星中学三年生の時に堀口大學に師事し、以来、詩作に励む。法政大学仏文科在学中より「サバト」「開化草紙」「パンテオン」「オルフエオン」「ドノゴトンカ」「文藝汎論」「近代詩苑」等に作品を発表する。1974年没。詩集に『ぷろむなあど』(近代文明社)、『航空術』(第一書房)、随筆集に『茶烟亭燈逸傳』(書物展望社)、『風船蟲』(青潮社)等がある。