昨今では社長の高齢化や、産業構造の転換による苦しい経営に悩む中小企業が増えています。それゆえ事業承継、M&A、廃業の準備を進めることが、日本全体の重要課題といえましょう。
しかし、そのような中小企業の悩みに応える話題を網羅する、専門家による本はこれまで無に等しく、このジャンルには‘元倒産社長’による体験談本や経営コンサルタントによるざっくりとした指南書がほとんどでした。
本書は、各分野における専門知識と実績を有するエキスパートが執筆を分担し、中小企業が抱える問題点について、ノウハウや体系的知識をわかりやすく解説した本で、事業承継、M&A、税金対策、廃業、倒産等々、実務的な手続きについてはもちろん、それぞれの場面で必要なテクやコツにも言及しています。
経営者だけではなく、経営者を支援する金融機関、士業、コンサルタントの実務に役立てていただきたいというのが、執筆陣の願いです。
<目 次>
はじめに
第1章 ◆ 会社経営からの卒業─事業承継、M&A、廃業
1 経営者の高齢化で、事業承継、廃業が待ったなし!
2 業績不振の会社は、事業再生or転廃業へ
3 会社経営をやめるとき、高齢・引退型と業績悪化型がある
4 高齢・引退型の場合―事業承継or廃業の判断基準
5 業績悪化型の場合―廃業or倒産手続の判断基準
第2章 ◆ 会社の相続で揉めないために
1 会社相続と骨肉の争い
2 経営の承継対策(後継者の選定・育成)
3 財産の承継対策
4 対策効果の検証
事例で学ぶ終活の法則❶ 専門家のアドバイスから学んだ
自社株・納税対策のコツとテク
第3章 ◆ M&Aを活用した親族外への事業承継
1 中小企業の後継者不在にも有効なM&A
2 M&Aの進め方
3 M&Aの手法
事例で学ぶ終活の法則❷ 親族外への事業承継はM&Aで友好的に解決
第4章 ◆ 会社を前向きに廃業する
1 廃業には、高齢・引退型と業績悪化型がある
2 業績悪化型において、前向きな良い廃業をする
3 業績悪化型において、廃業を決断すべきタイミング
4 なぜ廃業を決断できないのか
5 廃業の手続
事例で学ぶ終活の法則❸ 思い切った廃業への決断で会社を整理、
第2の人生をスタートさせる
第5章 ◆ 最終手段としての倒産手続
1 倒産手続が避けられないとき
2 債務整理手続にはどのような種類があるか
3 破産手続
4 特別清算手続
5 民事再生手続
6 私的整理の種類
7 特定調停手続
8 どの手続を選択するか
9 個人保証をどのように処理するか
10 自宅を確保するための手段
事例で学ぶ終活の法則❹ やむなく破産になっても、まだやれることはある