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暮らしを変える驚きの数理工学
合原一幸 編著

目次 立ち読み

 

感染症、地震、がん治療など、社会的な課題となっている複雑系の問題に解決の道筋をつける学問、それが、わが国独自の学問分野である「数理工学」です。本書はパンデミックの数理モデルや余震の発生確率予測など社会的重要性の高い諸問題を具体例に、数理工学の可能性を紹介します。

<書籍データ>
◇B6判並製 280ページ
◇定価:本体1,500円+税
◇2015年5月20日発売
◇ISBN: 978-4-86310-140-1

<著者プロフィール>
編著者略歴
合原一幸(あいはら・かずゆき)編者
東京大学生産技術研究所教授、同最先端数理モデル連携研究センター長。
1954 年生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。東京大学大学院工学系研究科教授、同新領域創成科学研究科教授等を経て、現職。内閣府が日本のトップ30 の研究を支援したFIRST(最先端研究開発支援プログラム)で複雑系数理モデル学研究のリーダーも務めた。専門はカオス工学、数理工学。脳などを対象に数理モデルの構築を行なっている。

著者略歴
占部千由(うらべ・ちより) 
東京大学生産技術研究所特任助教。1976 年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。大阪大学大学院工学研究科特任研究員、明治大学研究・知財戦略機構研究推進員、東京大学生産技術研究所最先端数理モデル連携研究センター特任助教等を経て、現職。専門は非平衡系物理学。感染症伝播等を対象とした数理モデリングとその解析を行なっている。

近江崇宏(おおみ・たかひろ) 
日本学術振興会特別研究員PD。1984 年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。科学技術振興機構研究員(FIRST 合原最先端数理モデルプロジェクト)を経て現職。専門は統計地震学。統計的手法を用いた地震活動の予測に関する研究に従事。

阿部力也(あべ・りきや) 
東京大学大学院工学系研究科特任教授。1953 年生まれ。東京大学電子工学科卒業。九州大学博士(工学)、電源開発株式会社技術開発センター上席研究員、2008 年6 月より東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻特任教授。一般社団法人デジタルグリッドコンソーシアム代表理事。専門は、分散電源、蓄電池、スマートグリッド、デジタルグリッド等。

長谷川幹雄(はせがわ・みきお) 
東京理科大学工学部第一部電気工学科教授。1972 年生まれ。東京理科大学基礎工学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員(DCI)、郵政省通信総合研究所研究員、情報通信研究機構主任研究員などを経て現職。専門は、工学基礎(カオス、ニューラルネットワーク、最適化)、通信・ネットワーク工学(異種無線ネットワーク、コグニティブ無線ネットワーク)など。

鈴木大慈(すずき・たいじ) 
2004 年東京大学工学部計数工学科卒業、2009 年同大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻博士課程修了。博士(情報理工学)。1981 年生まれ。2009 年同専攻にて助教に着任。2013 年より東京工業大学情報理工学研究科数理・計算科学専攻准教授。現在に至る。東京大学情報理工学系研究科長賞、2012 年度IBISML 研究会賞などを受賞。専門は統計学と機械学習、特に高次元スパース推定やノンパラメトリック推定の理論、情報幾何学、確率的最適化に興味がある。



 

 

 

 

<立ち読み>

 

「はじめに」より
何年か前に、ファッションデザイナーの松居エリさん、アーティストの木本圭子さんとコラボで、東京コレクション(東コレ)という大きなファッションショー用に数学を駆使したドレスを製作したことがあります。意外にもこの奇妙な3人の組み合わせは議論がとてもうまく噛み合い、たいへん心地よい共同作業となってその成果は大きな反響を呼びました。
実はこの成功は、内心予期していたことでもありました。なぜなら、ファッション、アート、そして数学には、あまり認識されていない共通点があるからです。それは、「美しさ」に強くこだわるという点です。この共通の価値観があるので、彼女たちと心の深い部分で共鳴することが出来た訳です。
最近脳科学分野でも、脳画像データ解析でこのことを裏付ける発見がありました。数式を美しいと感じる時に反応する脳部位とアートを美しいと感じる時に反応する脳部位が同じ場所だったのです。この意味で、数学の美意識は、脳の根源的な性質から発しているとも言えそうです。
ただしここで注意したいのは、数学には、この様な美しさにかかわる抽象性と同時に、もうひとつまったく異なる特質がありことです。それは、数学が有する驚くべき記述能力の高さという意味での機能性です。たとえば、筆者の専門分野で言えば、この世の中のダイナミズムを記述するのに、数式以上に優れた言語を知りません。ガリレオが看破した通りです。たとえば本書の第1章では、単純な2次関数が生み出す豊かなダイナミクスを例としてご紹介します。
本書で詳しく解説しているのは、この数学が持つ高度な記述能力と機能性、さらにはそれらに基づく実用性です。様々な具体例を通して、暮らしに役立つ数学の面白さの一端を、読者のみなさんに感じ取っていただけることを心から願っています。
編者 合原一幸


 




<目次>

はじめに(合原一幸・東京大学生産技術研究所) 
巻頭言(小谷元子・東北大学)
第 1 章 数学で実世界の様々な複雑系問題に挑む(合原一幸)
第 2 章 パンデミックを数理モデリングする(占部千由・東京大学生産研究所)
第 3 章 本震直後からの迅速な大きな余震の予測(近江崇宏・東京大学生産研究所)
第 4 章 デジタルグリッドが実現する新しい電力の仕組み(阿部力也・東京大学大学院)
第 5 章 複雑系数理モデル学に基づいた通信システムの最適化への新しいアプローチ(長谷川幹雄・東京理科大学)
第 6 章 機械が現実を学習する(鈴木大慈・東京工業大学)
おわりに(合原一幸)

 


 


 

 

 

 

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