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サイエンス思考―「知識」を「理解」に変える実践的方法論
和田昭允 著

目次 立ち読み

 

すべての物の考え方の基本は、「サイエンス」にあります。そして、大小に限らず成功の道は、サイエンスの考え方を自分のものにすることです。と言っても、なかなかピンとこないのではないでしょうか。「サイエンス思考」とは、①よく観察し ②正確で十分な情報(データ)を取り出し ③自分の頭で考え、起こっていることの原因と結果をつなぐ理由を見つけて ④これだという答を出す。さらに ⑤将来を予想・予言し、未来を開拓する──その道を案内する強力なガイドのことです。
「サイエンス思考」は、物/事を考えるときの基本であり、決して理系の専売特許ではありません。専門的な科学技術の問題解決だけではなく、日常のどんな場面にも応用できる、誰もが生きていくために必要な考え方。長年学生たちに「サイエンス思考」の大切さを伝え続けてきた著者渾身の1冊です。

 

<書籍データ>
◇B6判並製 224ページ
◇定価:本体1,400円+税
◇2015年8月20日発売
◇ISBN: 978-4-86310-150-0

<著者プロフィール>
東京大学名誉教授。1929年東京都生まれ。52年東京大学理学部卒業。71年同教授、89年同理学部長を経て、98年から理化学研究所ゲノム科学総合研究センター所長、お茶の水女子大学理事を歴任。現在、理化学研究所研究顧問、順正学園理事兼相談役、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校常任スーパーアドバイザー等を務める。著書に『物理学は越境する』(岩波書店)、『生命とは?物質か!』(オーム社)等がある
 

 

 

 

<立ち読み>

 

サイエンス思考とは、物/事を考えるときの基本であり、何も特別なことではない。繰り返し言うように、専門的な科学技術の問題解決だけではなく、日常のどんな場合にも応用できる考え方である。
まず、理解しようとする、あるいは作ろうとする「全体」の範囲を、どこまでにするか決める。その上で、中に含まれるいろいろな「要素」を探し出し、すべてを頭に浮かべ、それらがどのような「相互作用」をし合って、全体を演出しているかを理解していくのだ。
ここで忘れてはならないのは、全体が置かれている「環境」との相互作用だ。つまり全体は、“切り出した”とはいうものの、完全に周囲と切り離されて独立しているわけではない。
たとえば、旅行カバンと中身を考えてみよう。「全体」とは、荷物を詰め終わったカバンである。要素のひとつはカバンのスペースで、そこに荷物という数多の要素をすし詰めにするわけだ。堅くて大きなもの(要素)は融通がきかないから最初に入れる。下着や靴下は柔軟な相互作用でクッションの役割を果たすから、その間に詰める。さらに、カバンが置かれるであろう「環境」も考えておく。空港で運ばれるときのショックに弱いものは、真ん中に詰めなければならないだろう。
バカバカしい、当たり前じゃないかと思われるだろうが、「方法論」として意識するか否かで、すべては大きく違ってくる。──第1章より


 



<目次>
はじめに

序章 化学から物理への越境
理科好きの子どもがそのまま大人になった
今、次世代を担う人たちに伝えたいこと など

第1章 サイエンス思考とは
新しい価値の創造 
「対象の発見」から「解る」までの道筋 
見つけて、切り出す など

第2章 森羅万象という時空の広がり
全体構造はどうなっているのか?
モノとコトの相互作用
【コラム マクロ(巨視)世界とミクロ(微視)世界】 など

第3章 生命と人間
生命進化
生命世界の特区
機械論とそれを構成する仕組み など

第4章 科学と技術の歴史
自然哲学からギリシャ科学へ など

第5章 科学技術の広がり
智の発展は科学と技術のハイブリッド
柔軟な考え
日本文明 など 

 

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