しかし節電できる金額に比べ、導入額が高いため、普及しなかった。ホームシステムを組むので、節電以外に、キラーアプリを見つけられると普及するのだろうが、各メーカーとも見つけられなかった。「冷蔵庫にカメラを仕込み、外からでも中に何が入っているのかが分かります。お代は5万円」のような話ばかりで、聞いていて唖然としたことを覚えている。

 そんなこともあり、ホームシステムというビジネスはメーカー内で、通りにくいのではと考えている。一方、海外は、スマートスピーカー、スマホを軸に、どんどん組み立てられ始められている。韓国、中国メーカーは、ほとんどの分野でIoT化された家電を持っているのも事実だ。

住宅メーカーと家電メーカーがタッグを組む日

 しかし私は、日本のメーカーがダメだとは思わない。理由は、今のほとんどの家は、ホームシステムを前提に作られていないからだ。例えば通信は「Wi-Fi」でというが、Wi-Fiは電線のように、住宅設備として組み込まれていない。つまり部屋ごとに、電波強度にムラがあり、最悪、ネット接続できないことも考えられる。私は、Wi-Fiは、照明と同様に天井に付けるべきだと言う考えだが、それには家電メーカーと住宅メーカーのタッグが必要なのだ。

 また、全ての家電にIoTも言い過ぎで、家電メーカーとしても指針をしっかり出さなければならないと思う。時期は、新規住宅の50%はZEHとする2030年がゴールだろう。家電の寿命を10年とすると、2020年には、ホームシステムのあるべき姿を提示する必要がありそうだ。

 その時、日本メーカーは、Amazon Echo、Google Homeを使うのだろうか? それとも昔あった日本の独自OS「TRON」のように、日本のアイデンティティを活かしたものにするのだろうか? 興味は尽きない。